2017年に流行するものは……?

 ひとつ言えるのは「リズムネタ優位」というこの状況はしばらく揺るがないだろう、ということです。

 ほとんどの人にとっては、漫才やコントや一発ギャグや大喜利よりも、歌やダンスの方が身近に感じられるものです。さらに、動画サイトやSNSの普及もあって、それを発見したり広めたりするための敷居も下がっています。

 オリラジやピコ太郎に続く全く別の形のリズムネタ芸人が登場するのは間違いないでしょう。

 また、ピコ太郎の世界的なブレークという状況を考えると、これからはワールドワイドに活躍する芸人が新たに出てくる可能性も十分あります。

ジャスティン・ビーバーのツイートも、ピコ太郎ブームの一因でした (C)PIXTA
ジャスティン・ビーバーのツイートも、ピコ太郎ブームの一因でした (C)PIXTA

 日本のお笑い界には、芸歴によって定められた厳格な秩序があります。駆け出しの芸人にたとえ十分な人気や実力があったとしても、これを打ち破って一気に頂点に駆け上るのは容易なことではありません。

 ピコ太郎さんの例にならって、世界で売れてから日本に帰ってくる、という逆輸入型の成功パターンがこれから出てくるかもしれません。

 年末年始の時期には、次世代の若手芸人が出る新人発掘系のネタ番組もいくつかあります。その中から新たなスターが生まれることもあるので、彼らの将来性を考えつつそういう番組を見てみるのも面白いかもしれません。

文/ラリー遠田 写真/吉本興業、PIXTA、小野さやか(永野さん)

今年ブレークした永野さんのインタビューもどうぞ
・前編 好きを貫くために―芸人・永野から学ぶべき9つのこと
・後編 孤独は悪いことじゃない―芸人・永野から働き女子へ

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