最新の研究で、よくかんでゆっくり食べると、消費カロリーが増えることがわかりました。実際、ゆっくり食べる人ほど体脂肪率も低いのです。運動しなくてもダイエットにつながる「ゆっくり食べるだけ! ダイエット」のコツをご紹介します! 顔もたるまない! というから必見です。

「食べるのが早い人は太るというのは本当です」と、東京工業大学大学院社会理工学研究科の林直亨教授が見せてくれた(下図1)。林教授らの実験では、同じ食品を早く食べたときとゆっくり食べたときでは、ゆっくり食べたときのほうが食後の消費エネルギー(食事誘発性熱産生=DIT)が多いことがわかった。
ポイントはかむ回数だ。ゆっくり食べると、かむ回数が多くなる。かむ回数が多いほど胃や小腸に血液を送る動脈の血流量が増え、その結果、DITが大きくなるという。「1回の食事の後に消費されるカロリーは小さいが、1年間積み重ねれば、体脂肪1.5kg分を消費する計算。300kcalの栄養補助食品でこの結果なので、日常の食事なら効果はより大きくなるだろう」(林教授)。
女性を対象に、おにぎりで行った別の実験では、食べるのが遅い人ほど体脂肪率が低い傾向があることもわかった(下図2)。あなたの食べる速さはどうだろう。まずはおにぎりをどのくらい時間をかけて食べているか振り返ってみよう。
明日は「ゆっくり食べるだけ! ダイエット」のコツを紹介する。
ゆっくり食べると消費カロリーが増える
この差が1年で体脂肪1.5kg分になる!

ゆっくり食べる人ほどやせている!


東京工業大学大学院 社会理工学研究科 人間行動システム専攻
早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程中退、医学博士(大阪大学)。大阪大学助手、カリフォルニア大学デービス校客員研究員、九州大学健康科学センター准教授などを経て、2013年から現職。専門は運動生理学、応用生理学、健康と運動・食生活。
取材・文/平野亜矢(編集部)、スタイリング/椎野糸子
日経ヘルス2015年2月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります