朝食にまいたけを食べると、糖質や脂質の代謝が整い、体に脂肪がつきにくくやせやすくなることがわかってきました。まいたけに油を加えると腹持ちがよくなり、間食も減らせる。そのままソテーして食べても、簡単な作りおきレシピを、朝食にパッと加えるだけでOK。おいしく手軽に、「朝まいたけ」生活を始めませんか?
朝食を抜けば、摂取カロリーが減ってやせそうだが、「ほとんどの人はやせない」と管理栄養士の足立香代子さん。朝食を抜くと、体内の糖や脂質の代謝が乱れ、脂肪を体にため込みやすくなることもわかってきた。
朝食を食べないと、空腹で昼にご飯など主食をドカ食いしやすい。すると血糖値が急激に上がり、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが大量に分泌される。「インスリンは余った糖を脂肪に変えて脂肪細胞に蓄える働きがあるため、血糖値を急上昇させると体脂肪がつきやすくなる。また、急激に上がった血糖値は急激に下がるため、甘いものや主食のドカ食いを繰り返すことに」(足立さん)。お腹の脂肪を減らすには、この連鎖から抜け出すことが重要だ。
血糖値を急上昇させない栄養素といえば食物繊維が有名。「キノコ類は食物繊維が豊富なだけでなく、独得の歯ごたえが早食いを防ぐ点でも血糖値の急上昇を抑える。特にまいたけにはαグルカンという血糖降下作用があるといわれる成分が含まれている」(足立さん)。また、「朝食にまいたけを食べると、朝食後だけでなく、昼食後の血糖値の急上昇を抑える効果がある」(雪国まいたけ研究開発室・田中昭弘さん)
朝食を抜くと栄養バランスが崩れやすく、筋肉や肌ツヤも失われやすい。「脂質やたんぱく質は血糖値を上げないので、まいたけにオリーブオイルや魚などを加えるのがお薦め。腹持ちもよくする」(足立さん)。手軽なまいたけレシピを紹介しよう。
朝まいたけダイエットのルール
朝食にまいたけ50gと油約大さじ1(またはそれに相当する脂質)を合わせて食べるだけ。脂質が多く血糖値を上げない肉、魚、卵などのたんぱく質を一緒にとるとベター。まいたけと一緒ならご飯やパンなどは軽めにとってもよい。

管理栄養士
臨床栄養実践協会理事長。東京高輪病院名誉栄養管理室長。長年の臨床経験を生かし、管理栄養士の育成にも力を注ぐ。著書は『最新!太らない食べ方』(廣済堂出版)、『太らない間食』(文響社)など。
レンチン3分、あえるだけ! 和メニューに便利~まいたけナムル
ナムルは常備菜の定番。ゴマ油やゴマの脂質には腹持ちをよくする働きがある。
「包丁も鍋も使わない簡単メニューです。しっかりめに味をつけておくとアレンジは混ぜるだけ、炒めるだけでおいしい」(管理栄養士・料理家の金丸絵里加さん)
ゴマの風味は和食にもマッチするのでいろいろな料理に展開しやすいのがうれしい。
保存できる日数は
・冷蔵で3~4日
・冷凍で7~10日
一回分・熱量 129kcal/糖質 0.7g/食物繊維量 1.78g
材料(6回分)
まいたけ …………… 3パック(300g)
A
塩 …………… 小さじ1/2
醤油 …………… 大さじ1/2
すり白ゴマ …………… 大さじ3
おろしニンニク …………… 小さじ1/2~1
ゴマ油 …………… 大さじ5
作り方
(1) まいたけは小房に分けて耐熱ボウルに入れ、ラップをふんわりとかけて、電子レンジ(600W)で3~4分加熱する。
(2) 汁気を切り、Aを加えてよく混ぜ合わせる。
アレンジ・まいたけと小松菜のゴマ味噌汁
一食分・熱量 239kcal/糖質 4.9g/食物繊維量 4.2g
材料(1人分)
「まいたけナムル」 …………… 1回分(70g)
小松菜 …………… 1株(30g)
絹ごし豆腐 …………… 50g
だし汁 …………… 200ml
すり白ゴマ …………… 大さじ1
味噌 …………… 小さじ2
作り方
(1) 小松菜は食べやすい長さに切り、絹ごし豆腐はさいの目に切る
(2) 鍋にだし汁を入れて煮立て、(1)と「まいたけナムル」を入れてひと煮し、すり白ゴマと味噌を溶き入れて温める。
アレンジ・まいたけとキャベツのチャンプルー
一食分・熱量 323kcal/糖質 5.0g/食物繊維量 4.0g
材料(1人分)
「まいたけナムル」 …………… 1回分(70g)
厚揚げ …………… 小1/3枚(60g)
キャベツ(市販品・ざく切り) …………… 100g
醤油 …………… 小さじ1
卵 …………… 1個
作り方
(1) 厚揚げはキッチンペーパーではさんで余分な油分を取り、縦半分に切ってから7~8mm 厚さに切る。
(2) フライパンにゴマ油を中火で熱し、厚揚げを並べ入れて両面を色よく焼き、キャベツを加えて炒め合わせる。
(3) キャベツがしんなりしてきたら、「まいたけナムル」を加えて大きく混ぜる。醤油を鍋肌から回し入れ、卵を溶き入れて半熟状になったら火を止める。
酢とレモンを効かせて爽やかな洋風・中華風に~まいたけハーブマリネ
まいたけとオイルを合わせてとりやすいのはマリネ。
「まいたけは大きめにほぐし、炒めすぎずにプリッとした歯ごたえを残すのがコツです。パセリを加えるとビタミンCや鉄がとれて栄養バランスがアップ」(金丸さん)
漬け汁ごと生野菜と合わせればパッとサラダが完成するし、オムレツの具にもできるので朝食向き。また、汁物に加えてもおいしい。
保存できる日数は
・冷蔵で4~5日
・冷凍で7~10日
一回分・熱量 121kcal/糖質 0.8g/食物繊維量 1.25g
材料(6回分)
まいたけ …………… 3パック(300g)
A
酢 …………… 大さじ2
レモン汁 …………… 大さじ3
オリーブオイル …………… 大さじ4
塩 …………… 小さじ1
粗びき黒コショウ …………… 少々
オリーブオイル …………… 大さじ2
パセリ(みじん切り) …………… 2枝分
作り方
(1) まいたけは小房に分ける。保存容器にAの材料を入れて混ぜる。
(2) フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、まいたけをときどき返しながら火が通るまで焼く。
(3) 熱いうちにAに漬け込み、パセリを加えて混ぜる。
アレンジ・まいたけとベビーリーフのサラダ
一食分・熱量 192kcal/糖質 3.4g/食物繊維量 2.9g
材料(1人分)
「まいたけハーブマリネ」 …………… 1回分(70g)
トマト …………… 1/4個
ベビーリーフ …………… 小1パック(20g)
アーモンドスライス …………… 10g
作り方
(1) トマトは薄いくし形に切り、ベビーリーフとともに器に盛る。
(2) 「まいたけハーブマリネ」を漬け汁とともに回しかけ、アーモンドスライスを散らす。
アレンジ・まいたけのスパニッシュオムレツ
一食分・熱量 272kcal/糖質 6.0g/食物繊維量 2.7g
材料(1人分)
「まいたけハーブマリネ」 …………… 1回分(70g)
赤パプリカ …………… 1/3個
卵 …………… 1個
粉チーズ …………… 大さじ1
オリーブオイル …………… 小さじ1/2
作り方
(1) 赤パプリカは薄切りにする。
(2) ボウルに卵を溶きほぐし、粉チーズを加えてよく混ぜ、パプリカと「まいたけのハーブマリネ」を加えて軽く混ぜ合わせる。
(3) フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、(2)を流し入れて、形を整えながら焼く。

管理栄養士・料理家
栄養指導やメニュー開発などで活躍中。料理初心者でも失敗しない簡単レシピの提案に定評がある。著書は『糖質オフの夏ごはん』『やせる! 作りおきおかず』(ともに宝島社)など多数。
取材・文/村山真由美 写真/野口健志 レシピ作成・料理/金丸絵里加 スタイリング/宮澤由香 栄養計算/内山由香(食のスタジオ)
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