ダイエット食材としていま注目の「おからパウダー」。イチオシはヨーグルトに混ぜて、朝食の最初に食べる方法。お腹が満たされて食事の量が減り、食物繊維によってお通じもスムーズになり、お腹すっきり!
ダイエットに効果的!と、品切れになるほど話題の「おからパウダー」。おからパウダーとは、大豆の搾りかす「おから」を乾燥させ、パウダーにしたもの。成分の約4割を食物繊維が占めるのが最大のメリットだ。
「おからパウダー大さじ約3杯で、日本人女性が1日に必要とする食物繊維量(18g)の不足分に当たる3.7g※1を上回る量が摂取できる」と管理栄養士の岸村康代さんは説明する。
おからの成分に詳しい益岡典芳さんは「おからは満腹感を高めて食べ過ぎを防止したり、お通じをよくする素晴らしい食材。成分を測定したところ、大豆たんぱく質や大豆イソフラボンも残存していた」と話す。
豊富な食物繊維は水分を抱え込んで満腹感を高め、血糖値上昇を抑える。最も取り入れやすいのは、ヨーグルトに加えて朝食前に食べること。また、小麦粉と置き換えれば糖質オフが可能に。おいしく食べながらダイエットを成功に導いてくれる。
※2「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」と各社パッケージより編集部で算出。
おからパウダーとは?
豆腐や豆乳を作った後にできるおからをさらに乾燥させてパウダー状にしたのが「おからパウダー」。生のおからは2~3日しか日持ちしないが、おからパウダーは数カ月、常温で保存できる。粒子が粗めのもの、細かめのものがある。おからパウダーダイエットのルール
「おからパウダーヨーグルト」を朝食前に食べるだけ!
「おからパウダーヨーグルト」の作り方は、市販の「おからパウダー」大さじ3を無糖ヨーグルト100gに混ぜるだけ。おからパウダーにヨーグルトの乳清(ホエイ)を吸わせる。これを毎朝食前に食べる。お腹がいっぱいになれば朝食はこれだけでもよいが、物足りなければ普段の朝食を食べてもOK。腸内環境を改善するヨーグルトと、食物繊維たっぷりのおからパウダーで、腸活にもなる。
3週間の「おからパウダーヨーグルト」で半数以上が腹囲5cm以上減!
20~50代の女性18人が、「おからパウダー」大さじ3強を無糖ヨーグルト100gに混ぜたおからパウダーヨーグルトを毎朝食時に食べたところ、3週間で18人中15人の腹囲が減少した。15人のうち、9人が5cm以上の減少で、最大8.5cm減、平均4.1cm減となった。また、18人中17人で1週間当たりの排便日数が平均1.5日増加するという結果に。
おからパウダーがダイエットにいい4つの理由
1. お腹でふくらんで食欲抑制になる
おからパウダーは乾燥した状態なので、お腹の中で水分を含むと一気にふくらむ。「不溶性食物繊維の中でも、多孔質と呼ばれるスポンジのような形状のものを多く含み、水を引き込む働きが強い。食事の満腹感が高まりやすく、ダイエット時の空腹感に耐えられない人も間食を減らせる」(岸村さん)。
2. 小麦粉代わりに料理に使うと糖質オフに
おからパウダーは、粉状だから料理にも使いやすい。ヨーグルトに混ぜるだけ、ドリンクやスープに混ぜるだけ、というのはもちろん、「ハンバーグのつなぎやお菓子など、ふだん小麦粉やパン粉を使っている料理で、おからパウダーを使えば、無理なく糖質を減らすことができる」(岸村さん)。
3. 食事の最初にとると血糖値上昇を抑える
おからには食物繊維がたっぷり。また、ヨーグルトにはたんぱく質と脂質が含まれる。食物繊維、たんぱく質、脂質はいずれも血糖値の上昇を抑える成分だ。「食事の最初におからパウダーヨーグルトをとることによって、糖質がゆっくりと吸収されて血糖値が上昇しにくいと考えられる」と益岡さん。
4. 食物繊維が豊富で便秘知らずに
おからパウダーの約半分を占めるのが、食物繊維。なかでも、腸のぜん動運動を促し、便のかさを増やす不溶性食物繊維が豊富だ。「おからパウダーヨーグルトを3週間食べたところ排便量が増えたという実験結果も。ダイエットをすると便秘になりがちという人にお薦め」と岸村さん。

津高果汁研究所(岡山市)
大阪市立大学大学院理学研究科有機化学専攻博士課程修了。岡山理科大学理学部教授を経て現職。栄養学、生化学が専門。おからに含まれる機能性成分などを研究。
取材・文/柳本 操、御船晶子(編集部) 写真/高田浩行、吉澤咲子(ブルーストーンスタジオ) グラフ/増田真一 撮影協力/AWABEES、UTUWA
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