体幹という言葉を最近よく聞くけれど、体のどの部分だっけ? という人も多いだろう。正解は、両手足や頭部を除いた胴体のこと。今、この体幹を鍛える女子向けのプログラムが人気だ。その火付け役であるトレーナー・佐久間健一さんに、お話を聞きました。
座りっぱなしは健康に害、体形が崩れる原因にも
あなたは1日に合計何時間座っている? 日経WOMANのアンケートでは、66%以上の人が「6時間以上」と回答した。実はこれ、かなり要注意な水準なのだ。
「1日に6時間以上座っている人は、3時間以内の人よりも早死にするリスクが高いという米国の研究データがあります」と日本抗加齢医学会理事で、慶応義塾大学医学部眼科学教室教授の坪田一男さん。「カラダのために、少なくとも1時間に1回は、立ち上がって動くようにしましょう」とアドバイスする。
座っている時間の長さは、姿勢にも影響を与える。「パソコン作業中はどうしても前かがみになり、猫背になりやすい」と話すのは、パーソナルトレーナーの佐久間健一さん。その結果、胴体にある体幹の筋力が弱くなり、骨盤にゆがみが生じたり、肩こりや腰痛が出やすくなったりするのだという。
そこで、日経WOMAN11月号では、1回1分程度の運動で体幹力がつき姿勢が整う、働く女子向けのメソッドを佐久間さんに考えてもらった。体幹力がつくと、お腹周りが引き締まったり、便秘やむくみの改善にもつながるそう!
体幹とは?
両手足と首から上の頭を除いた、胴の部分を「体幹」という。体幹の筋力が弱い人が座りっぱなしだと猫背になり、肩こりなどの不調や、体形崩れの原因になる。読者の66%は6時間以上も座りっぱなし
アンケートは2017年8月に日経WOMAN公式サイトで実施。616人(平均年齢39.5歳)から回答を得た。そのうち、本質問の有効回答582人について集計。
こんな不調に心当たりはない?
☑ 肩や首がこる
座って仕事をしているうちに、肩や首のこりを感じる。こりがひどくなって頭痛が起きることも。
☑ 腰が痛い
デスクワークでいつも腰痛がある。急に立ち上がったりしゃがんだりすると、腰に痛みが走る。
☑ 猫背気味だ
☑ 下腹がポッコリ
☑ 便秘気味だ
☑ 冷えやすい
他にも、体幹の筋力が弱いと、胃や腸があるべき位置から下がる「内臓下垂」になりやすい。そのせいで子宮や卵巣が圧迫され、生理痛や生理前の不調が重くなることもある。
体幹力がつき良い姿勢になると…
ふくらはぎや太ももなどが細くなる
体幹力がないと、足の筋肉で重心のバランスを取ったり、動こうとしたりするため、足が太くなる。体幹力がつけば足は細くなる。
お腹がぺったんこに
体幹をしっかり使えているときは、お腹周りの筋肉が活発に働いている。その結果、ウエスト周りが絞られてサイズがダウン。
食べても太りにくくなる
体幹力がついて姿勢が整うと、全身の筋肉がバランス良く使われるため、体全体の消費エネルギーが上がって太りにくくなる。
肩や首のこりがなくなる
猫背だと頭の重みを首や肩の筋肉で支えようとし、こりの原因に。体幹力がついて猫背が直れば、こりも解消する。
冷え性が良くなる
「人間の体温の60%は筋肉から作られている。体幹が整って使われる筋肉が増えると体温が上がり、冷えもなくなる」(佐久間さん)

パーソナルトレーナー、ボディメイクトレーナー
ミス・インターナショナル、モデルなどにボディメイクを指導。「CharmBody」代表。近著は『モデルが秘密にしたがる体幹リセットダイエット』(サンマーク出版)。
取材・文/茅島奈緒深、大屋奈緒子
「これ以上の情報をお読みになりたい方は、日経WOMAN誌面でどうぞ。」