草食男子はおろか、絶食男子まで登場。安倍政権の声も虚しく非婚化が進み、結婚をコスパの良し悪しで考える人たちもいるといいます。そんな現代、女子たちの結婚観・恋愛観とは? 深夜番組『クロ女子白書』(FBS福岡放送)でゲストにスザンヌさんを迎え、開催された「結婚したい女子」による女子会。母娘問題研究家・麻生マリ子さんが女子たちのリアルな発言を交えながら、イマドキの未婚女子たちの恋愛・結婚事情を分析。またスザンヌさんの結婚観もお聞きしました。婚活事情、婚活疲れや“交際0日婚”、男女観、妊娠・出産への思いなどを聞きながら、女子たちに考えられるさまざまな選択肢を探ります。
(1)婚活事情
婚活パーティーに既婚男性が!? 「女子あまり」女子の婚活・不毛の地
福岡という土地は未婚女子率が高く、元気な女子が多い――そう語られる土地で「女性を応援する番組」として起ち上がったのが『クロ女子白書』(FBS福岡放送)。リアルな女子会を開催し、MCのパンクブーブー・黒瀬純さんと女性ゲストが別室でモニタリングする番組だ。
今回、スザンヌさんをゲストに迎え、開催された「結婚したい女子」による女子会。イマドキ女子の結婚のリアルに迫る。

まずは、婚活事情。
未婚女子率が高く、いまや女子あまりと言われる土地だけに、競争は厳しいのでは?
「婚活パーティーに独身男性の人数が足らず、既婚男性が混ぜられていることもあります。ただし独身の男性を同伴する、という条件で」
独身男性の不足人数を埋めるために、独身男性の同伴を条件に、既婚男性の参加が許されていることがある、というのだ。トラブルに繋がる危険性は十分に予測される。実際に「好きになってしまったあとに“実は既婚だった”と告げる男性」の存在が聞かれた。
思い起こされたのは、今年1月、大阪府警の元巡査長・水内貴士被告(27歳)が交際女性を殺害した事件。復興支援で派遣された宮城県で知り合った女性(のちに被害者となる)と交際しながら、大阪でほかの女性と密かに結婚。ずさんにも妻との結婚式の写真を被害女性にSNSで発見されて、家庭や勤務先にバレてしまうことを恐れ殺害した、という事件だ。
被告が大阪府警阿倍野署に復帰すると、ほかの女性と結婚したなど夢にも思わず、追うように大阪へ就職までして出てきた被害女性。なにも知らずに被告との将来を真剣に純粋に考えていたであろう彼女の無念は想像するにあまりある。
10月6日、大阪地裁で行われた裁判員裁判。検察側が求めた求刑20年に対し、懲役18年の実刑判決が下された。
「東京男子&福岡女子の婚活パーティー」の中身とは?
さて、男子不足の解消を試みる運営側の一策なのか。「東京男子&福岡女子の婚活パーティー」なるものに参加したことがあるという女性(Aさん)がいた。
開催地は東京。Aさんを含む女性が18人、福岡から上京して行われたという。東京へ到着すると、まずは女性たちだけで東京を観光する時間が設けられ、夜には東京男子20人と婚活パーティーが催される、という流れだったそうだ。

男性参加者の条件は、年収1500万円以上。年齢は26、7歳~45、6歳までいたが、20代~30代前半が中心で、女性参加者にアラサー・アラフォーが目立ったのに対し、男性のほうが若めだったという。
参加費は東京を往復する飛行機代、宿泊費など、すべて込みで3万8000円也――あなたはこの価格をどう感じるだろうか。
新たな婚活モデル~“地方”でカテゴライズした男女のマッチング
男子不足解消の戦略もあるだろうが、“東京男子&福岡女子”というマッチングが行われており、またそれなりに互いに需要がありそうだ、という点が興味深い。
特定の地方ごとの男女、というカテゴリーをもってマッチングする理由は、地方ごとの人のイメージによるところが大きいだろう。
たとえば、九州男子は「俺についてこい」と女子をぐいぐい引っ張っていく。京都女子ははんなりと物腰柔らか。関西男子はノリがいい――私たちは地方ごとに、どういった気質の人かイメージを抱いてはいまいか。こうした紋切り型のイメージを、心理学ではステレオタイプと呼ぶ。
ある種、外国人の異性のイメージに憧れを持つのとおなじだ。「外国人男性はレディーファースト」と日本人女性が憧れ、外国人男性は「日本人女性は大和撫子。自己主張が控えめでいい」という。
「方言女子」なるものが流行り、どの地方の方言がかわいい、モテると話題になったが、地方ごとの男女をマッチングする、いうのは、ステレオタイプをうまく生かした、婚活のビジネスモデルと言えるだろう。
Aさんも「九州男児は好かん。東京男子は優しいけん、いい」と答える。
言わずもがな、そこに潜むのは「実際に交際や結婚をしてみたらイメージと違った!」というリスクである。現実はそう優しくはない。“○○男子”“○○女子”といっても個人差があるのは当然だ。
ステレオタイプを入り口にするのはひとつの方策ではあろう。しかしながら、そこに過度に依存することなく、ひとりの人間として相手を見て向き合うことが重要だ。
「婚活市場は玉石混交」を肝に銘じて!
「男性の参加条件は年収1500万以上」。この真偽のほども考えるべきだが、Aさんは参加した東京男子たちについて「この人、なにをやってこんなに稼いでいるんだろう? と思った」そうだ。馴染みのない横文字や複数の肩書きの並ぶ男性の名刺を眺めながら訝しんだという。
ひとつ考えられるのは、働きかたや生きかたが東京のほうが多様なぶん、経営者や自営業者など、業態、業種ともに多種多様であること。普段九州であまり出会う機会のない職業の男性が多かったかもしれず、彼女には馴染みのないように感じられたのかもしれない。
ただやはり先述の既婚男性が混在している場合がある、という点も含め、婚活の手段や、また運営側が信頼に値するかどうかなど、慎重に見極め、選ぶ目が大切である。
婚活市場は玉石混交。そう自覚した上で歩くことを勧めたい。
ひいてはそれが相手の個々男性を選ぶ目を持つことにも繋がるのではないだろうか。
いっこうにめぐりあえず……「婚活疲れ」する女子たち
いっぽう「婚活疲れ」の声も聞かれた。
「婚活」と一口に言っても、婚活サイトに婚活パーティー、結婚相談所、街コンや合コンと、さまざまなチャンネルがあるだろう。「結婚したい!」という思いで婚活に力を注いできたが縁がなく、婚活パーティーを企画運営する会社を自ら起業したという女性・Bさん。人のマッチングをしながら、あわよくば自分も、と趣味と実益を兼ねた婚活イベントの運営を狙ったが、自分の相手はいっこうに見つからない。
いまは婚活に疲れて、会社は休業中。親戚の会社を手伝うなどして、ひっそりと生活しているという。彼女は「友だちもどんどん家庭をもっていくし、自分だけ結婚できず子どもも産めず、孤独死したらどうしよう」と不安を漏らす。