ビジネスパーソンが注意すべき“病気”について、専門家に解説をしてもらう連載です。中南米で広がる「ジカ熱(ジカウイルス感染症)」に対し、世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言しました。WHOが各国・地域に求めた対策は「感染状況の監視強化」や「適切な情報伝達」のほか、妊婦への注意喚起など。オバマ米大統領は、2016年1月27日時点で強い懸念を示しつつ「ウイルスの治療、ワクチンの開発が急務」と発言。各国で予防ワクチンの研究開発が急がれ、日本でも武田薬品工業が研究開発の検討を始めているといいます。では、ジカ熱とは何か。なぜ緊急事態なのか。自治医科大学附属病院感染症科、ナビタスクリニック川崎 法月正太郎先生に解説してもらいます。
ジカウイルスは新型インフル、野生型ポリオ、エボラウイルスに並ぶ緊急事態
WHOは2016年2月1日にジカウイルス(Zika virus)の流行地域における小頭症と神経障害の集団発生に対して、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」を発表しました。これは国際的な対応が特に必要な疾患に対して宣言されるもので、2009年の新型インフルエンザ、2014年の野生型ポリオの世界的流行、同年のエボラウイルス感染症に並ぶものです。
今回の発表はジカウイルス感染症の流行そのものに対して出されたものではなく、小頭症と神経障害の集団発生に対して出されたという点でこれまでの感染症と大きく違います。
ジカウイルス、そして小頭症とは何なのでしょうか? この情報をどう解釈し、私たちはどう行動すれば良いのでしょうか? じっくり考えてみたいと思います。

Q4 「小頭症」が話題になっていますが、ジカウイルス感染症との関連性は?