多様性に出会えるまちこそが、未来を生き抜く子どもたちを育てる
親と教師にしか出会わなければ、生き方の選択肢が狭くなる。付き合う友達を制限されたり、階級社会的な発想を持ったりする家庭の下であれば、その家庭の「あるべき生き方」を外れたときにめちゃくちゃしんどくなる。
でも、親戚に趣味を生かした自営業をするオジさんがいたり、わが家のように家事育児のメインが夫である家庭と接点があったり、NPO法人に就職して社会活動に取り組むお姉さんに出会ったり、海外から日本語を学びに来た友人がいたりすることで、人生の幅がぐいぐい広がっていく。「これもアリなんだ」と思えれば、誰かが決めた仕様から外れても生きていく自信ができる。
石井さんの言葉は、区長としての自分にも響いた。もともと多国籍の歴史を持つ生野区は「大人のモデル」「暮らし方のモデル」のバリエーションが多いと自負している。
5000万円で70平米の都心の高層マンションも魅力的かもしれない。でも「自分のしあわせは何か」。もし、毎日の暮らしに物足りなさを感じたら、大阪市内中心部まで30分圏内、3000万円で庭付き一戸建てが買えて「欲しい暮らし」のモデルが盛りだくさんの生野区も、ご検討のほどを!熱烈歓迎!
《区長に質問!コーナー》
まちづくりに関わるにはどうすればいいですか?
よくあるのが「まちづくりには関わりたいけれど、町内会には入りたくない」というもの。 確かに、若いうちからいろんな役が回ってきたら仕事との両立が難しくなりますよね。でも、そうしてまちを支えている人がいて、地域は守られています。
昨年、大阪市の各区で避難所を開設した際に、高齢の方が防災リーダーとして避難者のお世話をしている横で、子連れの家族がゴロゴロとスマホを見ているだけだったという風景があり残念に思いました。私も地元で子育てボランティアを4年間続けていますが、効率よくやれば両立できる活動はありますし、町内会に入っていることで防災・防犯面で子どもも守ることができます。
子どもが家に一人で親が仕事でいないとき、近所に知り合いがいるのは心強いものです。地域によって町内会の負担に差はあると思いますが、まず入っておくと新しい取り組みもしやすくなります。
もっと積極的に、まちの活性化やイベントに関わりたいならば、まず居住エリアの活動団体を探すことです。生野区にはボランティア団体もたくさんありますし、官民連携のシティプロモーションの活動もあります。そして、最初の一歩。気になるイベントや講座に出かけることから始まります。そのうち、自分の得意技や興味関心に近い活動を見つけるか、無ければ作ってしまうのもアリです。
「無理!」と思った時点で“仕様”にハマってますよ! 大丈夫、仕事をしながらまちに家でもない職場でもない「サードプレイス」を持つ人、つくる人、運営する人はたくさんいます。関われば、これからの人生の選択肢が増えます。新しいお店も仲間も発見できます。とりあえず、地域デビューしてみましょう!
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NPO法人パノラマ