雑に盛り付けると、子どもに雑に食べられてしまう
五十嵐 品数も3~4品と、少なくてもいいんです。品数が少なくても、彩よくしてあげれば、いろんな味や食感を楽しめて飽きが来にくくなります。例えば、次回記事でご紹介する回鍋肉(ホイコーロー)だったら、キャベツの他にネギやワケギを入れて青みを足したり、パプリカを入れて赤みを加えたり。2色よりは3色、4色と色味を加えることで、見た目の満足感が増します。すると、品数を増やさなくても栄養も満足感も得られるのでお勧めです。
―― 見た目からくるおいしさや満足感って結構大きいですものね。
五十嵐 そうなんです。見た目で食欲は変わりますから。料理教室でも「急いで作っても、最後の盛り付けだけはちゃんとキレイにしようね!」とよく言っています。急いで作ると、つい盛り付けも大ざっぱになりがちですが、やっぱり雑に盛り付けると子どもに雑に食べられてしまうんですよね。
―― すごく分かります。作業のように食べられてしまうと嫌ですよね……。
五十嵐 本当に。せっかく作った料理は、丁寧に、味わって食べてほしい。ですから、例えば肉じゃがだったら、きゅうりを斜め切りにしたものや、さっとゆでたアスパラを乗せて青みを添えたり、煮物やいため物には細切りにしたネギや、ごま、削り節を振りかけたり。白いごはんの上にはしらすを乗っけて、のりを細かく切って散らしたり。いつものおかずやごはんに、最後のひと手間を加えるだけでよりおいしさが増して、丁寧に食べてくれるようになります。やっぱりおいしそうに味わって食べてもらえると、作る側の気持ちも上がってまたやる気が出る。いい循環が生まれる気がします。

―― 時短を目指しながらも、最後の盛り付けだけは丁寧に! ぜひ心がけたいと思います。さて次回は五十嵐さんに20分で作る晩ごはん、素早くできて絶品の「回鍋肉(ホイコーロー)」&「のり卵スープ」の献立とレシピをご紹介いただきます!
中国料理「美虎(Miyu)」オーナーシェフ

取材・文/伯耆原良子 写真/佐々木 睦