ある日の午後、都内某所。夫婦の家事分担に不満を持つワーママ読者4人が集まりました。「食器洗いをするのは私ばっかりで不公平」「夫は言わないとやってくれない」「やるならちゃんとやってほしい」――。そんな本音が飛び交う座談会に加わったのは、交渉トレーナーの小早川優子さん。「夫を動かすハッピー交渉術」を提唱する小早川さんが、悩めるワーママたちにしたアドバイスとは? 「夫が進んで食器洗いをしてくれる魔法の言葉」を紹介します。
【座談会参加者の皆さん】
石井さん(仮名、36歳):フルタイム勤務の学校職員 夫:38歳 子:3歳(男)
高橋さん(仮名、42歳):外資系生保にフルタイム勤務 夫:42歳 子:2歳(女)
上田さん(仮名、30歳):フルタイム勤務のメーカー営業職 夫:30歳 子:2歳(男)
加藤さん(仮名、45歳):研修会社にフルタイム勤務 夫:43歳 子:11歳(女)、6歳(女)、4歳(男)
夫はすぐ洗ってくれない、次の料理ができないからつい私が

ワークシフト研究所社長。慶応義塾大学大学院経営管理研究科 経営学修士MBA。慶應ビジネススクールおよび米国コロンビアビジネススクールにて交渉学を専攻。外資系金融機関に13年間勤務。第三子妊娠中に独立し、交渉を日常のコミュニケーションツールとして活用するハッピー交渉トレーニングHNTを主宰。3児の母でもある
―― 本日は、「食器洗いなどの家事の夫婦分担に不満がある」という読者の皆さんにお集まりいただきました。皆さんの本音を伺いながら、交渉トレーナーの小早川さんに、夫婦がハッピーになるための交渉術を教えていただきたいと思っています。
小早川さん(以下、小早川) 皆さん、こんにちは。では早速、どんな不満を抱えているのか教えてください。
上田さん(以下、上田) うちは、私が料理担当、夫が食器洗い担当……という約束になっているはずなんですが、実際は私が洗ってしまっています。夫は食後すぐに洗ってくれないんですよ。キッチンが狭いので、皿が残っていると次の料理ができません。それで結局、私がつい洗ってしまう。
小早川 あー、よくあるパターンですね。次の家事に影響が出るから、仕方なく妻が先に手を出してしまう。
加藤さん(以下、加藤) それ、分かります。うちは子どもが3人いるので、食器をすぐ洗わないと、次の食事の食器が足りなくなります。それでも夫はなかなか洗いません。一度、どうするのか観察していたら、夫は皿を洗わずに紙皿を出してきた(笑)。あ然としました。私は怒りを溜められないタイプなので、結構夫に不満をぶちまけてます。長年伝えてきたつもりだけど、何度言ってもダメですね。
上田 夫が食器洗いをすると、洗剤の減りが異常に早い。見ていると、洗剤を垂らしながら、水もジャージャー流してるんですよ! で、次に私が使おうと思ったときに、洗剤が補充されていない。水切りカゴで乾かす際も、「あ、それじゃ割れちゃう!」という皿の立て方をします。うちも、何度も夫に注意していますが、直らないんです。私も忙しいから、つい怒ってしまい、すぐけんかになる。それを繰り返すのが嫌で嫌で。
小早川 もしかしたら、「食器洗い」の定義が夫婦で違うのかもしれませんね。皆さんの食器洗いは、「洗剤の補充」や「シンクの周囲をきれいにする」も含まれているけれども、夫さんの食器洗いは本当に「食器を洗うだけ」という定義なのかも。



