子どもたちの中には料理経験者も多く、やりたい気持ちも持っている
ところで、小4にもなると、息子自身が家事をする場面が増えました。料理については、夕方、公園から戻ったとき、私がお米を研ごうとしていると「僕がやる」と代わってくれますし、先日はピーマンの肉詰めを大部分、作りました。最後の焼く作業以外は丸ごと任せた感じです。
「ずいぶん、色々できるようになったね」と感心すると「ああ、学校のみんなも結構できるよ」と息子は言います。
実際に聞いてみると、料理をしたことがある子は意外に多く「卵焼きやスパゲティの料理を作ったことがある子は珍しくなかった」そうです。すごい子になると「夕食を全部一人で作った」とか、「オムライスやハンバーグを作った子もいた」と言います。
息子がクラスの「帰りの会」で尋ねてみると、多くの子どもが料理をしてみたいと思っていることが分かりました。
Q あなたは、将来、一人暮らしをするようになったら自分でごはんを作りたいですか?
(息子がクラスメート37人に聞きました。読者の皆さんもぜひ、お子さんや甥・姪ごさんと話してみてください)
「自分で作りたい」……32人
「誰かに作ってほしい」……2人
「わからない(一人暮らしのイメージがわかない、など)」……3人
「実際に聞いてみると、作りたい子がけっこう多かった。聞いてみるまでは、作りたい子は10人くらいで、作りたくない子が20人くらいかな、と思っていたから、ちょっと意外かも」というのが息子の感想でした。
確かに、子どもは、結構やる気があるようです。ちなみに、まだ4年生のうちは男女共に家庭科の授業はありません。
様々なデータが示すのは、女性のほうが男性より家事時間が長いことです。特に日本では男女差が大きいことが課題と言われており、行政の会議でもよく取り上げられています。男性の約半分が30分未満しか家事をしていないのに対し、女性は3時間程度やっています(東京都生活文化局「女性の活躍推進に関する都民の意識調査」、平成26年より)。今年7月、私も出席した東京都の「女性も男性も輝くTOKYO会議」では、男性の家事育児参加を増やす方法について、話し合いました。会議の場では、世代による変化が話題になっていたのが印象的です。

10歳の息子の日常を見たりクラスメートの話を聞いたりしていると、子どもたちは料理に自然な関心を持っているようです。「男だから/女だから」という意識もほとんど感じられません。これには地域による違いもあると思いますが、子ども世代が持つ生活全般への関心に、私たち大人が適切に応え、実践の機会と環境を作りたい、と思いました。

この記事の関連URL
女性も男性も輝くTOKYO会議
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/danjo/danjobyodo/0000001008.html
(画像/iStock)