共働き家庭にとって大きなストレスになり得る家事を見直し、家族時間をよりよいものにしていくために、「家事負担」の軽減のヒントをプロフェッショナルの皆さんに伺っていく連載。今回は料理家・おもてなしプランナーの高木ゑみさんにお話を聞きました。
2018年春の「夕飯時間を変える最強ルール」特集では、「行ったり来たりしないための動線作り」や「買い出しは週1回」など、すぐに役立つノウハウを教えてくれましたが、高木さんといえば、「“ついで”掃除」など、「ためない家事」で軽やかに生活されているイメージがあります。そうした考え方に、いつからなったのでしょうか?
2017年に離婚、2018年には年長になった長男と沖縄に移住するという、大きな決断をされた高木さん。子どもとの時間を大切にするために、家事も工夫をされています。
家事は、やり始めたらきりがない。
共働き家庭では「やらなければ」と負担に感じる人も多いかもしれない。強制的にやらなければならないとなると、それだけで憂鬱になってかえってためて、「ためた分だけ完璧にしなくては…」と真面目に思い詰めることにもなりそうだ。
高木ゑみさんは、「家事は強制的にやるものだとは思っていないんです」と言う。
「家事は“やらなくてはいけない”と思うこと自体がよくないですよね。今日はこの部分の掃除ができなかったとか、洗濯物を畳んでしまえなかったとか、できなかったことで自分を責めるようになってしまう。でもやり出したらきりがないですからね。だからどの家事も、“時間を決めて”か“ついで”にするようにしてます」
では“時間を決めて”、どのように家事をしているのだろうか。
あえて時間的制限を設けて家事をためないようにする
高木さんは現在、沖縄で6歳の長男と二人暮らし。生まれ育った東京を離れ、子どもにのびのびした教育環境を与えるため、そして自分の夢を叶えるために、今年、沖縄に移住した。家事や育児を一人で切り盛りしている状態だ。にもかかわらず、子どもと一緒にいるときは家事に時間を取られないようにしている。
「家事と自分の時間は朝、2時半に起きてから息子が起きる7時までの間と決めています。2時半というと『それは夜なのでは!?』と驚かれる方も多いのですが(笑)。ただ東京にいたころのように4時起きでは回らないので、そこは時間で調整しようと思っています」
7時を過ぎたら家事はしない。でも、疲れをため過ぎないように、子どもの幼稚園の送り迎えなどでできた30分などの隙間時間には、「ちょこっと仮眠をとることもある」という高木さん。
「それなら隙間時間に家事をすれば、と思うかもしれませんが、そうはしないようにしています。家事でも仕事でも、子どもとの時間でも、自分を最適な状態で稼働できるようにしたいからです」
