日経DUALで今年2月まで4年間連載し、思わずクスッとしてしまうゆるさで人気を博した「パンダ親父」。その著者の岡山進矢さんと、同じく今年3月まで「健気なボクと毛無毛なパパ」を連載していたエイイチさんの「パパマンガ家対談」を開催します。連載のきっかけやこぼれ話、フリーランス共働きパパならではの苦労話、子育てや妻との関係などについて、ざっくばらんに話し合ってもらいました。
第2回は「連載こぼれ話」。「パンダ親父の家って、なんでママだけ人間なの?」「毛無毛なパパってシングルファーザー?」。実は連載中に感じたことがある人も少なくないであろう、そんな疑問の答えが明かされました。
マンガの師匠は「妻」
日経DUAL編集部(以下、――) エイイチさんのマンガでは、奥さんがほとんど出てこないですよね。

エイイチさん(以下、エイイチ) 「シングルかも?」という風に見えるということですね?
―― はい。実際は普通に夫婦で子育てしていますよね。それは意図してやっていたということですか?
エイイチ そうなんです。実は、あれは妻の提案なんです。「私を出すと普通の育児マンガになるから、出さないほうがいい」というアドバイスがありまして。「どうしてもツッコミが必要なときだけ、最後のコマに出すくらいにしておいたほうがいい」と言われました。実は、妻は高校生のときに描いたマンガが少女マンガ誌に載るほど、絵が上手なんです。
―― えっ、そうなんですか! 投稿していたということですか?
エイイチ はい、新人枠のようなもので載ったそうで、もう全く描いていないんですが、今でも僕より絵がうまいくらいです(苦笑)。
―― 奥さんは今、どんな仕事をされているんですか?
エイイチ 普通の会社員をしています。僕のマンガって、パパがスキンヘッドであることによって面白ポイントみたいなものが1点入ると考えていて、そこに「育児マンガなのにママが出てこない」ということによってもう1点上乗せしているんです。これも妻のアドバイスで、もうほとんど僕の師匠みたいなものなんですよ(笑)。
―― 岡山さんは、「パンダ」というのは特に意味があったわけではないんですよね。

岡山進矢さん(以下、岡山) そうですね。DUALのグッズお試し記事の挿絵を描いたときに初めて出したのですが、そんなに深く考えずにパンダ、ウサギ、クマを描いちゃいましたね(笑)。
僕は、Tシャツのブランドをやっていたときもパンダのキャラクターを作っていましたし、自分のホームページでマンガを連載していたときもパンダのキャラクターを使っていたんです。自分を投影したキャラクターを擬人化して描くときは、なぜかパンダを描いてしまう癖があって(笑)。
―― パンダが好きなんですか?