氏家 固定費の割合が分かります。固定費は収入の5割にとどめるのが目安、といわれます。固定費が6~7割になると、自由に使える変動費の割合が減って生活が苦しく感じる他、貯金ができなくなります。固定費の割合が高過ぎる人は、今すぐ減らせる固定費はないか検討してみてください。次回以降にお伝えしますが、通信費や保険料はわりと見直しやすいと思います。
固定費の見直しが終わったら、続いて変動費の傾向を調べましょう。
―― 傾向を知るとはどういうことでしょう?
氏家 変動費は、その時々の判断で使うお金なので、知らない間にどんどん使ってしまう可能性があります。一人ひとり、お金の使い方のクセのようなものがあるので、そこをチェックしてみましょう。まずは、買ったものや、飲食店で使ったものなど、レシートを1カ月分とにかく取っておきましょう。
―― レシートをどこかに貼ったり計算したりするのでしょうか。あんまり作業が増えるのは……。
物産展があると4000円以上まとめ買い!?
氏家 いやいや、貼るなど面倒なことをしなくても、箱にでもためておきます。1カ月分たまったら、並べて眺めるだけでも「コンビニでばかり買い物している」「月に〇回もカフェでこんなに使っている」などの傾向は見えます。これは意外と効果があります。
そういえば、こんな悩みを持っている方がいました。基本的に食事は家で作っているし、お弁当も持って行っているし、外食も極力しないようにしているのに、食費がいつもなんだか大きくなる、と。
レシートを並べて具体的に見たところ、駅などに出店している〇〇フェアや〇〇物産展みたいなのに出合うと、ふらっと4000円以上まとめ買いしていることが分かりました。これって、物産展に出合わなければ買わなかった想定外の買い物です。「つい、旅行に行くより安いと思って立ち寄っていましたが、レトルトカレー600円とか、漬物1000円とか、普段のスーパーでの買い物に比べるとかなり高めのものばかりだし、なくてもいいものばかりですよね」と改めて驚いていました。
―― 傾向というのは、そういう意味なのですね。
氏家 その買い物が、自分の生活におけるこだわりポイントで、納得の上で楽しみとして出費しているなら、全然問題ないと思います。でも、全く無意識に使ってしまっていて、それが不本意なことだと感じるなら変えたほうがいいですよね。
具体的な傾向が分かれば、見直せる部分、あるいは見直したい部分が見えてきます。「物産展では1000円までしか買わない」「ワインを月3本買っているけれども1本減らすぐらい平気かも」などの具体的な検討ができて、「では、その分を貯金しよう」など決められます。
