ぺこりんがいることで、等身大の自分で居続けられた
一人なら落ち込むであろうことも、二人で笑い飛ばすことができた。
二人で出演するバラエティー番組の収録でディレクターさんから、僕から出た言葉ではなく、「こういう意見を言ってほしい」と言われたことがありました。
僕たちの本当の意見ではないし、本心としては言いたくない。とはいえ、番組が盛り上がるならばと、その場に合わせた対応をしたんです。自分一人だったら、そこでは笑ってやり過ごせても、家に帰って落ち込んでいたと思います。
ところが僕たちは、二人でいられた。収録後に家に帰って、「あのときのディレクターさん、どう思った? 僕はおかしいと思った!」「あ、ぺこりんも同じこと考えてた?」「そうだよね、あんな大人にはならないでおこう!(笑)」なんて、モヤモヤした感情や不満を交換し合えました。一人ならしんどいことも、笑い飛ばすことができた。二人だけの空間で、ちゃんと等身大の感覚を取り戻せたんですよね。
ぶつかることはたくさんありました。地方の仕事で会えない日が続いて思うように連絡が取れないとか、意思疎通が足りなくて大ゲンカするとか。そんな衝突を一つひとつ乗り越えるたび、関係が深まっていることを実感できたんですよね。
二人で一歩一歩進んでいくうちに、結婚しないことのほうに違和感を覚えた。「お互いを高め合える関係ってサイコーじゃん!」。こう思わない理由が、ないでしょう?(笑)
このままの二人でいたいから、結婚したんです。
ぺこりんがリンクを妊娠したことが分かったときは、二人の愛がようやく形になった瞬間でした。ずっと僕とぺこりんの間にあったけど見えなかったものが、「新しい命」として表に出てきてくれた。本当に、本当に、嬉しかったんです。
(取材・文/平山ゆりの、撮影/加藤 康)