校長先生と教育長のセンスが問われる
ではすぐに変えられるのはどこかと言うと、教員の数を増やすことだと思います。
多様性のある子どもたちが習熟度別学習ができるくらいに、増やさないといけません。恐らく現状で言えば、ITの技術やタブレットを取り入れて補っていくというのが、現実的ではあると思いますが。
皆さんは、もしかしたらそんなに急激に教育環境は変わらないと思っているかもしれませんが、英国のブレア政権のように、1~2年で変わることもあるんです。地方自治体でもものすごく頑張れば予算を確保して変えることも可能です。例えば、ALT(外国語指導助手)の充実度はそれこそ自治体によって既に差が出ていますよね。
コミュニケーション教育を充実させてほしいと考えたら、まずは校長先生と教育長に訴えることですね。
校長先生と教育長のセンスが良く、教育長と自治体の首長(市区町村長)がちゃんと一体化して、政策を進められるかどうかにかかっている。
システムが変わり、どこの自治体にも総合教育会議という、行政と教育委員会が円滑に意思疎通を図り、教育の課題および目指す姿などを共有しながら、連携して効果的に教育行政を推進していく組織があるのですが、現実にそれが機能しているところと全く機能していないところが出てきてしまっています。でも、皆さん自身が訴えかけていくことで、変化が望める可能性は確かにある。僕はそう思っています。
構成/山田真弓(日経DUAL編集部) イメージ写真/PIXTA