収集やもの作りを両親が全面的にサポート
「生まれ育ったのは神奈川県藤沢市です。小さいころはとにかく貝が好きで、泳げないくせにしょっちゅう海に行って、貝を拾い集めている子でした」
一つのことに夢中になって集める。今の島津さんに通じる収集癖は、すでに幼稚園時代から始まっていたようです。その後、島津さんの収集癖はさらなる変遷をみせます。戦艦、きのこ、ゆり、魚……。どれもとことん夢中になって集めては、自分で調べて絵を描いたり、オリジナルの図鑑をつくったり。
「僕の中では、“集める”と“つくる”というのがセットだったんですね。集めたら、そこから何かをつくる。それは、今の段ボールの財布にも通じていますね」
時には学校帰りに粗大ごみのガラクタを持ち帰り、それで創作することもあったといいます。
エンジニアのお父さん、絵葉書などを描くのがとても上手な専業主婦のお母さんのもとで育った島津さん。
「貝拾いに連れて行ってくれたり、図鑑を買い与えてくれたり。絵を描くのも、手を動かして何かをつくるのも、両親がいつも自然とサポートしてくれていました」
一方で、勉強は大嫌い。「塾も成績が悪くて、やめることになったほどでした(笑)」。図工ですら、学校の成績としては振るわなかったといいます。
「中学生になっても勉強はせず、ずっとレゴばかりやっていました。でも、親から『勉強しろ』とか、『そんなことにばかり夢中になって』と怒られたことはなかったですね。
親と道端の花を見つけたら『この花、なんだろうね?』と一緒に図鑑を調べたり。好きなことに夢中になる楽しさを親子で体験してきたから、今の自分があると思います」
好きなものを見つけると、他が目に入らないほど没頭する息子。少々、行き過ぎにみえても、それをいさめることなく、子どもの個性や長所として見守る。そんなご両親の子育てに「自分に寄り添ってくれたことには、大人になった今も感謝しています」と振り返ります。