トリビア 3 
味も鮮度も栄養価も高く価格は控えめ。これこそフローズンの持ち味

――ベスト状態での味、栄養価を丸ごといただくために、冷凍庫内の「見える化」を。-18℃以下の環境を維持しよう。
魚、肉、野菜、果物の旬に収穫し、鮮度のいい状態で急速加工する。自ずと冷凍食品は美味、かつリーズナブルで栄養価も高くなる。調理品も同様だ。出来立てのベストタイミングにフリージングし、味わいそのまま各店舗へ流通するのだ。

「この魅力を余すことなく家庭で享受するために、ぜひ守ってほしいポイントが2つあります」と西川さん。1つは「冷凍食品は常に、買い物のラストに購入し、寄り道せずにご家庭の冷凍庫へ納めること」。買い物途中に半解凍という悲劇を避けられる、ネット通販での購入もおすすめだ。

もう1つは、庫内の温度を上げないために、「冷凍庫を開いたら、瞬時にどこに何があるが分かり、即取り出せる仕組みをつくること」。内容がひと目で分かる冷凍商品パッケージは、スーパーの不透明な袋などで覆わない。庫内は、「肉・魚・野菜などの素材品」「お弁当のおかずなどの調理品」「早めに使うべき残り物」といった、種類や用途ごとの定位置を決め、開けたらすぐ取り出して閉められる仕組みを作り、庫内の冷気を逃がさないように心がけよう。

 トリビア 4 
2020年は日本での冷凍食品誕生100周年。期待、高まる!

――1920(大正9)年、北海道森町に葛原商会(現ニチレイ)が1日当たり10t冷凍可能な冷凍施設を作ったのが日本初の冷凍食品。
1920年に製造が始まった魚介の冷凍食品は、業務用として流通した。一方、一般消費者用向けのフローズンフーズ第1号は、31年、大阪の百貨店で販売された「イチゴシャーベー」。正確なレシピは残っていないが、つぶしたイチゴに練乳をかけ凍らせたもので、戸畑冷蔵(現:日本水産)が開発した。
(参考:サイト「冷食オンライン」)

以降、家庭用フローズンフーズがぞくぞく店頭に並び始める。「簡単でおいしい」「本格派の味」など、時代ごとのトレンドを経て、2020年現在、冷凍食品業界の重要なテーマは、「体にいい、健康を意識した素材や味です」と西川さん。働くママ・パパにとっても見逃せないポイントだ。

目まぐるしく変化するライフスタイルに応えるために、味・量・形状・調理法などの探究に、メーカーは日々しのぎを削っている。「自然解凍でOKのおかず、親子2人のときに利用しやすい1.5人前入りチャーハン、離乳食市場より少し遅れていた幼児向けフローズンフーズの開発など、新しいコンセプトの製品で、フローズンフーズ市場はますます活気づいています」

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