「クリアに見える・はっきり読める」環境が好奇心を刺激する

子どもの歯には抜け変わりがあり、虫歯も痛みや着色を伴うことが多いため、親もトラブルに気づきやすい。だが目の疲れや視力の低下は、子どもが幼いほど把握しづらい。「保護者の方は視力矯正が必要ないと思えるケースでも、ファーストメガネを考える際に、まずは必ず眼科を受診するのがよいでしょう。成長とともに相談できる目のホームドクターがいることも、一生モノの瞳ケアには大切です」
見にくさは補い、良好な状態は守る――教科書、PC画面、昆虫や植物、夜空の星や美術館の絵画、人気アニメもサッカーボールも自分の目でクリアに捉え、感じ取り、好奇心を膨らます。目から影響を受けやすい花粉対策もしかり。子どもの学習チャンスを、ごく身近なメガネで守る習慣を、真剣にスタートしたい。
多様性と伊達メガネ。ファッション性と前向きな心
憧れのモデルがファッションアイテムのひとつとしてメガネを使いこなし、人気タレントがアイデンティティ表現に個性的メガネをかける時代。このトレンドを、「視力矯正用メガネが必要な子どもを大きく勇気づけている」と田中氏は歓迎する。

「マイナスをカバーするためのメガネと、ファッション性をプラスするメガネの境界線があいまいになることで、メガネをかけざるを得ない子どものコンプレックスが薄らぎ、重い気持ちは救われます。また、ブルーライトカットや花粉カットなどTPOごとのメガネ習慣が根付くことで、近視、遠視などの視力の矯正が必要になったときにも、前向きにメガネをかけてくれるようになる。これが私の理想です」
むろん、遊び心あるファッション用の伊達メガネでも、旅先で見つけたおもちゃ感覚のサングラスにしても、レンズ(風なもの)が入っている場合は、目に与える悪い影響に用心を。楽しむためのメガネも信頼できる専門店で購入するようにしたい。
取材・文/太田留奈 写真/(田中氏)川田雅宏、PIXTA