テクノロジーを使いこなし、フランクに討論する授業風景
現在、竹内君はアプリ、Swift Playgroundsの、「コードを学ぼう2 中級編」に挑戦しています。
Swift Playgroundsは、自分で英文のコードをキーボードに打ち込んでキャラクターを動かす仕組み。例えば、前に進ませたいときは「moveForward」、左に向かせたいなら「turnLeft」という具合にコマンドを作り指示をします。
今回の目標は、すべての宝石を最短距離で取ること。自分のiPadを、AirPlayを使ってブルートゥースで、モニターにつなげた竹内君は、まずは自分が考えているプログラムの方針を口頭で発表します。
「最初に、奥に向かっていき宝を取って、向きを変えて戻ってワープ。左側に移動させて残りの宝を取ります」
素早くコーディングを打ち込み、キャラクターを動かす竹内君。はっきり言って機械音痴の筆者には、全く何をやっているか分からない高度なレベルに見えますが、「コードを実行」をしても、どうやら、キャラクターはなかなか竹内君の思い通りには動いてくれない様子。
「口で言うのは簡単だけど、コーディングは難しいんだよな……」という竹内君に同級生もうなずき、アドバイスをくれます。
「別の方向に向いてみたら?」
「後ろ向きに進むっていうコードが作れたらいいのにね」
「私なら、こんな関数を作ってみるけど、どう?」
とてもフランクに、かつ真剣に、先生や同級生と意見を交換し合い、それを即実行する様子は、教師が生徒に一方的に講義をする授業とは一線を画します。先生と友人に指摘やアドバイスをもらいながら、悪戦苦闘する竹内君。15分ほど作業を続けた後、
「あれ、おかしいな。向きが逆だ。難しい」
「わー、ダメだ! 動かない!」
と、悔しそうにタイムアップを迎えてしまいました。
しかし、その表情は生き生きとして、見ているこちらも感心してしまいます。
「では来週までの課題にしよう」と言う先生に、「質問があったら、休み時間に来ていいですか?」と聞く、二人の生徒。「日曜日でもいいですか?」「朝の授業前は?」と、その熱心な様子に、白石先生のほうが苦笑していました。