狙い目は総合利回り4%以上

 実際の銘柄選びはどのように進めればよいのでしょう? 桐谷さんが指摘するのは、まず投資に充てられる資金額を考えること。欲しい優待品をもらえる銘柄を選ぶのが優待投資の基本ですが、銘柄によって必要投資額が異なることには注意が必要。「いくら優待投資とはいえ、株価は常に変動し、損失を抱える可能性があります。優待投資も使い道の決まっていない余裕資金を充てるのが原則で、その金額で買える銘柄を選ぶべき。複数の銘柄に分散投資して、リスクの軽減を図ることも考えてみましょう」。

「気になる銘柄が見つかったら、優待のお得度を “優待利回り”でチェックしてみましょう」と桐谷さんは語ります。
 優待利回りとは、優待品を金額換算し、購入金額に対して年率何%の収益を生むかを計算した投資指標。例えば投資金額が10万円で、年1回5000円相当の優待品がもらえるとすると、優待利回りは5%となる計算。「一般に優待品が自社製品の企業の方が、高利回りとなる傾向があります」。

桐谷さんの“優待財布”の中には、外食企業の優待券もたくさん!「優待券を使い切るために毎日自転車で走り回っているんですよ」(桐谷さん)
桐谷さんの“優待財布”の中には、外食企業の優待券もたくさん!「優待券を使い切るために毎日自転車で走り回っているんですよ」(桐谷さん)

●優待利回りの計算方法
優待利回り=優待品の金額換算(年額)÷銘柄の購入金額
(例)株価1000円、1単元100株、優待の金額換算年5000円の銘柄の場合
 優待利回り=5000円÷(1000円×100株)=5%

 ただし、単に優待利回りが高ければよいというものではないと桐谷さん。「例えば優待利回りが高くても、業績が悪く株価が低迷しているため高くなっているケースもあります。こうした企業は将来、優待を廃止・改悪する恐れもあります」。
 
 業績の安定性を測る1つの方法として、配当(株主に対する企業の利益還元法の1つで、1株に対し業績に応じた配当金が支払われる)を継続的に出しいるかどうかを見ることが挙げられます。「“お宝優待銘柄”を見分けるためには、配当が継続的に出ていることに加え、優待利回りと配当利回りを足して算出した “総合利回り”が4%以上であることを目安にするとよいでしょう」

●総合利回りの計算方法
総合利回り={優待品の金額換算(年間)+配当金(年額)}÷銘柄の購入金額
(例)株価1000円、1単元100株、優待の金額換算年5000円、1株当たり年配当10円の銘柄の場合
 総合利回り=(5000円+10円×100株)÷(1000円×100株)=6%

 超低金利のご時世にあって、利回り4%は代表的な都市銀行の1年定期(0.01%)の400倍の収益率! しかも「総合利回り4%以上の銘柄は200~300社程度あります」と選択肢も豊富のようです。

 下表は、12月に権利確定日(優待を受けるには、この日に株主として株主名簿に記載されていることが条件)を迎える優待銘柄の中から、DUAL世帯向けに桐谷さんがセレクトしてくれたおススメ銘柄。一般に人気銘柄は、権利確定日が近づくにつれ、株式を購入し権利を確定させる投資家が増えるため、株価が上昇傾向になることには注意が必要ですが、お宝優待銘柄選びのヒントとしてはいかがでしょうか。

(文/萬真知子 撮影/稲垣純也)

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