「お母さん、どうして女の子だけ胸が大きくなるの?」「生理って面倒臭いし、女ってなんか損した気分……」。不意に発する娘のこんな言葉に、何と返していいのか分からず戸惑ってしまった経験はありませんか?
株式会社ワコールでは、小4から中3までの女児(女生徒)・保護者・養護教諭を対象に、「ツボミスクール」という無料の出張下着セミナーを開催しています。そこで講師を務める増田亜紀子さんは、想像以上に多くの女の子たちが“バストの悩み”を抱えていることに驚いたといいます。実は、娘が「女性として成長」を喜べるかどうかは、ママのこの時期の対応が非常に大切なのだそうです。
娘が「大人になること」を強く意識するようになるこの時期、ママがしてあげられるサポートとはどのようなものでしょうか? 今回は、「初めてのブラを買うときのママのNGワード」「知っておきたい娘の身体の変化」などを通して、「ブラを介した母娘の在り方」に迫りたいと思います!
【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 自分の子が「あんなやつ、死ねばいい」と言ったら?
(2) いじめSOS 最も信じるべきは「親の勘」
(3) 小学校「体操着の下に肌着ダメ!」おかしい?納得?
(4) 女子が「ブラを買って」と言えない原因はママの言葉 ←今回はココ
子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。
女性の身体について“知らないから向き合えない”ママの事情
「胸が膨らんできているけれど、お母さんにブラを買ってと言えません」
「最近、胸の先っぽがチクチクするんだけど、お母さんがブラ買ってくれないの…どうしたらいい?」
これらはどちらも、株式会社ワコールが運営する「ガールズばでなび」に掲載されている、11歳女児からのお悩み相談です。
「サイトに寄せられる女の子たちの悩みで、最も多いのが『バストの悩み』です。気恥ずかしさからお母さんに相談するのを躊躇したり、勇気を出して相談しても、『自分のころはまだブラを着けていなかった』『まだ早いのではないか』と言われて悩んでいる女の子は少なくありません。『ブラを買ってと言えない』という悩みは、私たちの元に寄せられるブラの悩みのおよそ6割に及びます」
増田さんは、こんなにも多くの女子が「ブラを買ってと言えない」と悩んでいる背景には、2つの理由があると分析します。

「一つには、お母さん自身が“女の子の身体的変化”についてよく知らないために、バストの成長などについて積極的に娘とコミュニケーションを取りたがらないのだと思います。ツボミスクールでは保護者を対象としたセミナーも開催していますが、『なぜ、女の子の胸が大きくなるのか?』『腰回りに肉がつくのはどうしてなのか?』についての正しい知識を持っている親御さんは、そこまで多くはいらっしゃいません」
しかし、既にママたちは出産まで経験している女性の先輩のはず。なぜ、娘に説明することができないのでしょうか?
●母娘のコミュニケーション不足で“身体の変化に気づけない”
●「ブラを一緒に買いに行った母娘」は、その後も関係が良好