日本経済新聞が2017年から行っている、創業20年以内の国内の未上場企業を対象にしたNEXTユニコーン調査。その第2回(2018年)調査で推定企業価値801億円として、第2位にランクインしたのがエナジーテック企業のパネイル(東京・千代田)だ。共働き世帯にも喜ばれているユニークな制度や、無駄残業をゼロにするために全社一丸となって協力し合う社内文化について伝えた上編に続き、下編では、研究開発本部のマネジメント責任者として活躍する共働きパパの松岡泰三さんと、取締役副社長で3歳の男の子のママでもある創業メンバーのキム・ヒョヨンさんにお話を伺った。
<パネイル 企業リポート>
【上編】パネイル 無駄残業ゼロの理由とは?
【下編】パネイル 管理職パパ&副社長ママの両立術 ←今回はココ
娘の幼稚園の先生たちと話をするため、10時出社を選択
2018年12月にパネイルに転職した松岡泰三さん。現在は、研究開発本部のマネジメント責任者として企画制作チームを束ねる。
「それまで14年は、インターネット広告事業などを展開する大手IT企業でプラットフォームの開発をしていました。部長職を任されたものの、大企業はどこでもそうなのでしょうが、自身の裁量で回せない部分が多く、行き詰まりを感じていました。
(前編で登場した人事部長の)山下とはもともと知人なのですが、山下からこの会社の話を聞き、意思決定のプロセスの早さに魅力を感じて入社したんです。ハードに働くけど、早く帰るというワークスタイルにも引かれましたね」と、松岡さんは話す。
松岡さんは現在、幼稚園に通う長女と保育園に通う次女の2人を育てる共働きパパ。日ごろは他の企業で時短勤務で働く妻に頼っている部分が多いと話すが、長女を電車で幼稚園まで送るなど、育児にも積極的だ。
「転職してから早く帰れるようになったので、家族で夕食を共にしたり、子どもたちをお風呂に入れたりする時間も増えました」

プチフレックス制度を活用し、始業時間を会社の規定の始業時間より30分遅い、10時にしているのは、娘の幼稚園の先生たちと関わるためという。