塾の授業の内容は理解できている。週例テストもそこそこに点が取れる。なのに、組分けテストや模試などの大事なテストになると点が伸びない。そんな悩みを抱えている中学受験生は少なくありません。「しかし、『今回はたまたま悪かっただけ』と軽く考えるのは要注意。なぜなら、テストで点が取れないのはそれなりの原因があるからです」。そう話すのは中学受験のプロ家庭教師、西村則康先生。では、その原因にはどんなことが挙げられるのでしょうか? そして、それを克服する手立てはあるのでしょうか? 西村先生に聞いてみました。
塾の授業は理解できているのに、テストで点が取れない子の3つの特徴
塾の内容は理解できているのに、テストになると思うように点が取れない子がいます。中学受験は結果がすべてなので、「なんで点が取れないのだろう……」と親子でガッカリしてしまいますよね。
「でも、それにはちゃんと原因があるのですよ」と西村先生。
そもそも知識がないというのは別ですが、西村先生によるとテストで点が取れない子には、次の3つの特徴があるといいます。
【テストで点が取れない子の3つの特徴】
①問題文を読まない
②当てずっぽうで答える
③ぽかミスをする
西村先生はこう言います。
「テストで点が取れない子の共通の特徴は、アウトプットを意識していない点にあります。授業とは知識を得るというインプットの作業であり、テストは問題を解くというアウトプットの作業です。まずそのことを理解し、取り組むときの意識を変えなければいけません。アウトプットが苦手な子の多くは、面倒なことが嫌いで、答えを出すために必要なプロセスを省略しようとします」
アウトプットに必要なのは次の2つです。
①正解を出そうと強く意識する
②正解を導くために正しい方法を使う
「②の正しい方法というのは、例えば国語の読解なら大事なところに線を引く。算数の図形なら線分図を書くなどです。こうしたやり方は塾の授業で習いますので、まずはそれを素直にやってみることが、得点につながります。これを面倒臭がってしまう子は、いくら知識があっても正しい答えに到達できる確率が大きく下がります」
「①の正解を出そうと意識している子は、問題文をしっかり読み、正しい答えを出すためにはどうしたらよいかをきちんと考えながら解き進めていきます。逆にそれができない子というのは、先に挙げた『テストで点が取れない子の3つの特徴』に当てはまります」
では、西村先生にそれぞれの特徴を詳しく説明してもらいましょう。
