12月に入り、2月1~3日の入試本番まであと2カ月となりました。しかし、今もなお受験校が決まらないという家庭も少なくないでしょう。通わせたい学校はあるのに、今はまだその学校の合格レベルに到達していない。第一志望校は決まっているけれど、併願校をどこにするか迷っている。過去問の取り組み方が分からないなど、直前期は不安でいっぱい。
「でも、この時期になったら、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ!と焦るのは禁物。やるべきことを見極め、それを確実にやることが大事です」。そう話すのは、中学受験専門のプロ家庭教師・安浪京子先生と富田佐織先生。安浪先生によると、「中学受験のラストスパートは親の忍耐力にかかっている」といいます。それはどういうことなのでしょうか? 受験直前期に受験生がどんな勉強をすればいいか、具体的に教えてもらいました。
※この記事の内容は11月に開催された「併願校の選び方・組み方、過去問題の取り組み方」セミナーの内容をまとめたものです。
【過去問対策】都市伝説「過去問は3回解く」はホント?
受験校は、本来であれば11月までに決めておくことが理想です。なぜなら、直前期の勉強は、志望校の過去問に取り組み、早いうちに弱点を把握し、得点を伸ばす対策をすることが大事だからです。
過去問の取り組み方について、安浪先生はこう話します。
「12月になり、受験校が固まったら、週1~2本のペースで過去問に取り組みましょう。平日は時間が取れず、日曜日は日曜特訓があるので、土曜日の午前中にやるのがベストです。志望校の入試が始まる時間に合わせて、4科目一気にやりましょう。本番を意識して、緊張感を持ってやることが大事です」
「ただし、お子さんの体調がいまひとつのときはやらせないほうがいいでしょう。過去問の出来は、子どものその後のメンタルに影響を与えるからです。私が過去問の結果を見るときは、必ずその過去問に取り組んだときのお子さんのコンディションを聞くようにしています。コンディションが悪いときは、結果も悪く出ることが多いからです。過去問は子どもが元気なときに解かせましょう」
では、過去問はどのように取り組むのが効果的なのでしょうか?
「大手進学塾の中には、『過去問は3回解くべき』と指導するところもあります。しかし、一度解いた過去問を同じように時間を計って3回やらせたところで、意味がありません。過去問は、1回目は時間を計って本番を意識して解く。2回目は、できなかったところを抜粋し、大問1題を10~15分かけてじっくり解いてみる。それで解ければヨシとし、それ以上深入りはしない。直前期はやるべきことがたくさんあるので、貴重な時間を浪費しないことも大切です」
いくつか過去問を解いたら、その仕上がり度に応じて対策を取ります。目安としては、次の2つに分かれます。
【小6・11月時点(本番3カ月前を想定)での仕上がりの目安】
①仕上がりつつある場合……志望校の過去問で全体の5~6割以上正解できている状態。もしくは、合格最低点の7~8割以上取れている状態
②仕上がっていない場合……志望校の過去問で全体の2割前後しか正解できていない状態。もしくは、合格最低点の5割以下しか取れていない状態
それぞれの場合の対策を安浪先生にアドバイスしてもらいました。
