子どもたちが遊んでいるところはなるべく見ない
この間、みうらじゅんさんがテレビに出ていて、「小学生の時に学級新聞を作って勝手に壁に貼ったら先生に叱られた」という話をしているのを長男のコウと見ていたんです。それで「ああ、ママも同じように勝手に学級新聞作っていたなあ」って私が言ったら、コウが「ええっ、何で? 頼まれてもいないのに? そういうのってありなの?」と聞くんですよ。「ありも何も、作っちゃったら見せたいじゃん? コウも書きたかったら書けばいいよ」と言ったんですけど、腑(ふ)に落ちないような、複雑な顔をしていました。
子どもが「言われたことしかやっちゃいけない」と思っていたら危険ですよね。だからうちでは基本的に何でも自由にやらせています。家の廊下とかで危なっかしい遊びをしていても、なるべく見ないようにしようと思っているんです。見ていると気が気じゃなくてつい口を出したくなっちゃうし、「危ないからやめなさい」って止めてしまうので。何が危ないかを知るためには多少のケガも必要だと思うし、もしケガをしたらその時に考えます。思えば私も、親が見ていたら動転しそうな遊びもいっぱいしてきました。
「悪いことをするな」と、「こういうことをしたら死ぬよ」っていうのは教えますが、それ以外は興味の芽を摘み過ぎないようにしたい。子どもたちもいつか「これだ」という世界を見つけて、それに没頭してくれたらいいなと思います。


子どもたちには、生きていくための基本は教える。あとは自分のなりたいようになりなさい。とは思いますが、構い過ぎたり放置し過ぎたり、自分のほうが注意しなくてはと思うことばかりです。
取材・構成/谷口絵美
二ノ宮知子