片付けは「選択と集中」「PDCAサイクル」。パパこそもっと参加を
大手電機メーカーに勤める共働きの3児のパパでもある大村さんは、ビジネスと片付けの共通点にも着目しています。
「片付けの本質は『選択と集中』で、ドラッカーの経営論と同じなんです。また、暮らしやすい状態を維持するためには折に触れて夫婦で話し合い、よりよい方法を見直すPDCAサイクルも必要です。僕のような男性の整理収納アドバイザーは少数派ですが、実は片付けが理屈だということに目覚めると、男性のほうがのめりこむ傾向があるんですよ。家の中が暮らしやすくなるだけでなく、仕事における生産性向上にもつながります」
今回の特集名にある「ミニマムな暮らし方」は、いわゆるミニマリストのような、できるだけモノを減らして身軽に暮らすことを指すものではありません。アンケート結果が示す通り、そもそも大半の子育て中の家庭にとって、あまり現実的なライフスタイルとは言えないでしょう。まずは、「今のわが家にとって必要最低限、暮らしやすい状態にモノを整えること」を目指してみてはいかがでしょうか。インスタグラムや雑誌に登場するようなセンスのいい空間や収納法が、誰もにとって快適で暮らしやすいものとは限らないのです。
片付けの専門家である会田さん、大村さんはDUAL読者と同じ共働きで子育てをするママとパパ。そしてお二人に共通するのは、「もともとは片付けが苦手で、家のどこに何があるか把握できていなかった」ということです。そんなご自身の体験を踏まえた、誰にでも実践できる現実的かつ機能的な片付けのポイントを、次回は詳しく伺っていきます。
(取材・文 日経DUAL編集部 谷口絵美)

