幼いうちほど教育の影響が大きいと小学校受験を選択
── 上のお子さんで小学校受験を経験したとのことでしたが、挑戦した理由などを教えていただけますか。
Oさん 幼いうちほど教育の影響が大きいと思い、よい環境に入れてあげたいと思ったことが理由です。「する? or しない? そもそもできる? 共働き家庭の『小学校受験』」の特集をはじめ、小学校受験関連の記事はほぼ読みました。
5歳児の受験ということで、本人は勉強をやりたがらないし、何度も「もうやめようかな」と思うなど、葛藤はありました。でも、なるべく休日は保育園の友達と遊ぶ時間を取るなど、受験モードになりすぎないように気をつけ、私が勉強を見るときは夫がメンタルケアをするなど、ここは夫婦で分担をして何とか乗り切りました。
娘はいま国立小に通っているのですが、全員が付属の中学校に内部進学できるわけではないので、DUALで中学受験情報にもアンテナを立てています。検索をしたら「”偏差値50”の中学受験」という少し前の連載にたどり着いたのですが、難関校受験への情報ばかりがあふれる中で、等身大受験に向けたリアルな情報が参考になりました。特に「中学受験 上位校でなくても進学する意味はある?」に書かれていた「わが子をどう育てたいかという価値観を軸に学校を選ぶ」という考え方はとても参考になりました。
── 小学校受験をしたのに念のためとはいえ、中学受験にもアンテナを張らなくてはいけないのは大変ですね。
Oさん そうですね(苦笑)。でも、学歴がほしくてお受験をしたのではなく、環境がほしかったので、いま探究を楽しめる学びの環境にいられることに価値を感じています。もし将来、学力的に内部進学ができないということになれば、それはそれで学力に合った学校に行ったほうが本人にとってもよいはずなので、しょうがないことだなと思い、割り切っています。
■今は気づきをストックする時期と考えサポートしたい
── 子育ての中で大事にしていることを教えてください。
Oさん 目下大事にしているのは、いろんな経験を通じて子どものポケットを増やしていくことですね。例えば、今年の夏はアサガオを育てていたのですが、なかなか種ができなくて、親子で「何で種ができないのかな?」と話しながら水や肥料をあげていました。でも、涼しくなったら種ができて、「水や肥料の問題ではなく、涼しくなれば自然と種ができるということだったのか」と納得する出来事がありました。
日々の生活の中で蓄えたこうした気づきが、物事を考える際の材料になると思っています。自分の頭で考えられる子になるためにも、今はこうした気づきを蓄える時期と考え、いろんな経験を通じて気づきを得ていけるよう、サポートしていきたいです。
DUALには、親の働き方はもちろん、子どもの育ちや学びをサポートするヒントとなる記事がたくさん載っているので、これからも参考にしていきたいと思っています。

取材・文/須賀華子(日経xwoman DUAL) 写真/Oさん提供