この2年間で、幼保無償化や私立高校の実質無償化が始まるなど、子育て家庭を取り巻く子育て費や教育費の事情は大きく変わりました。それに伴い、教育費の準備方法も変わってきています。そこで、無償化後の数字(推計値含む)を踏まえ、全面的に内容を刷新したファイナンシャル・プランナーの前野彩さんの著書『教育費&子育て費 賢い家族のお金の新ルール 改訂版(日経DUALの本) 』から、一部をお届けします。
公立・私立の区別なく原則無償だが、月1万円程度は想定を
2019年から3~5歳児クラスの幼稚園、保育園などの利用料の無償化制度が始まりました。共働きで高い保育料を負担していた夫婦はもちろん、幼稚園の入園を迎えるママ・パパにもうれしい制度です。
「3歳から」というと、誕生日を迎えてすぐ変わるように期待してしまいますが、実際は、満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間(幼稚園は満3歳から)が無償化の対象です。
公立・私立の区別なく原則無償ですが、通園費や給食費、行事費用などのお金はかかります。園や子どもの人数によりますが、月額約1万円を想定しておきましょう。
また、習い事の月謝や交通費などの「学校外費用」は無償化後もかかります。無償化前の文部科学省の2018年調査によると、幼稚園の「学校外費用」は公立で年8万円、私立で年17万円。幼稚園に限った話ではありませんが、公立より私立の方が、「学校外費用」も高くなる傾向があります。この数字をそのまま当てはめると、年間で20~29万円、ひと月当たり1万7000~2万4000円となる計算です。
無償化前は、公立幼稚園で月2万円弱、私立幼稚園で4万円超でしたから、公立幼稚園の場合はそれほど変化がありませんが、私立幼稚園では、毎月の教育費が大きく下がることになります。これまでは保育料が高いという理由で私立幼稚園を選べなかった人にとって、私立が選択肢に入るようになるというメリットもありますね。

<続き&詳細は改訂版で。書籍ではほかに、こんな関連項目が読めます!>
◆「3歳まで」保育園に毎月かかるお金
◆「3歳から」の幼稚園時代に毎月かかるお金(無償化後の推計)
◆小学校時代に毎月かかるお金は?
◆中学校時代に毎月かかるお金は?
◆高校時代に毎月かかるお金は?
◆「私立高校実質無償化」でお金の不安なく、私立が選択肢に!