通学時と同じ時間に起床・就寝したい

 「感染予防の観点では、屋内で大勢が集まるような遊びは避けてください。家で遊ぶときには友人の範囲をあまり広げないようにしましょう。屋外であれば、公園など人が密集してない場所で遊ぶのは構いません。その場合も、他の人との距離は2メートルほどあけてください。放っておくと子どもたちは、1日中ゲームや動画を見て過ごすことになりかねないので、1日のタイムスケジュールを決めることは大切です。ゲームをする場合には、午前・午後合わせて2時間程度にとどめるようにしましょう。1カ月にも及ぶお休み期間をダラダラ過ごすと、休み明けの新学期にも影響が出てしまいます。お休み中も通学時と同じ時間に起床・就寝し、生活リズムを崩さないことが大切です」

 共働きでテレワークなどが難しい場合、子どもの預け先は悩みどころです。今回は、通常の長期休暇と大きく違う点があります。

 「子どもを預かってもらう先として、真っ先に祖父母を考えるかもしれませんが、高齢者や持病のある人が新型コロナウイスルに感染すると、肺炎を起こすなど重症化するリスクが非常に高くなります。子どもは症状が現れないことが多く、知らず知らずおじいちゃん、おばあちゃんを危険にさらしてしまうことになりかねません。どうしても子どもをみてもらう場合には、子どもの症状をよく観察した上で、十分慎重にお願いしてください。

 週末に帰省して子どもを預けよう、と考えている保護者もいるかもしれません。両親が協力して乗り越えていくことが一番大事ですが、やむを得ず実家に頼らなければならないという場合は密室状態が続く公共交通機関は感染リスクが高まるので、十分な予防をしてください」

 子どもが保育園に通っている場合、病気のときに病児保育を利用している人もいるでしょう。新型コロナウイルスによる影響はあるのでしょうか。

 「現在は、新型コロナウイルスの感染確定者以外は受け入れています。つまり平常運営です。今後は地域の流行状況に合わせた対応が必要で、指針作りが急がれます」

 家族みんなでこまめな手洗い、せきエチケットを行い、元気に新学期を迎えたいものです。

おじいちゃんおばあちゃんに子どもを預けたいけれども…(写真はイメージです)
おじいちゃんおばあちゃんに子どもを預けたいけれども…(写真はイメージです)

取材・文/渡邊由希 写真/PIXTA


大川洋二
大川こども&内科クリニック院長
東京医科歯科大学医学部臨床教授。東京医科歯科大学医学部卒業。東京大学医科学研究所内科講師などを経て、2000年、大川こども&内科クリニックを開設。クリニックの2階では、「うさぎのママ」という病児保育施設も運営しており、インフルエンザやみずぼうそうなど隔離が必要な子どもを預かっている。医学博士。小児科専門医。全国病児保育協議会会長。内閣府子ども子育て会議専門委員。