11都府県に出された2度目の緊急事態宣言。宣言の期間は延長される可能性もあり、先行きの見えない状態に閉塞感が広がっています。親が子どもと自分自身を「ねぎらう」ことで新型コロナウイルス禍を乗り越えようと紹介した前編に続き、後編の今回は子どものストレスサインとその対応について、国立成育医療研究センターこころの診療部 児童・思春期リエゾン診療科の田中恭子さんに解説してもらいました。
【前編】コロナ自粛 今こそ自分と子を「ねぎらう」言葉がけを
【後編】コロナ下のワガママは子のストレスサイン? 対処法は ←今回はココ
子どもたちのストレスを感知しにくい時代
友達、家族、テストや受験、恋愛、将来への不安など、小学生になると子どもたちには子どもたちなりの悩みごとがあります。そこに昨年から「新型コロナウイルス」という新たな悩みが加わりました。
子どもたちが抱える悩みにたとえ保護者が気づかなくても、今までは習い事や地域の集まり、友人との自由な交流などによって、どこかで誰かが気づいてあげられる可能性がありました。
しかしコロナ対策によって人と人との関わりが薄くなり、子どもたちの声に出せない叫びをキャッチできる機会は少なくなりました。もしかしたら今このときも、子どもたちの悩みや不安は、誰にも気づかれないまま心の中で大きくなっているかもしれません。最近のお子さんに、次のような様子はないでしょうか?
□学校へ行き渋る
□眠れない
□何事に関しても自分を責める
□周りとの交流を避けるようになった
□スマホやゲームに依存している
□何事もやる気が起きないようだ
これらはお子さんのストレスのサインである可能性があります。しかしストレスの反応は子どもによってさまざま。そのためお父さん、お母さんたちは子どもがストレスを抱えているとは思わずに、「うちの子は最近わがままで……」「反抗期だから言うことを聞かなくて困るわ」などと思っていることも少なくありません。
大きなストレスを抱えて、それを受け入れられない状況のとき、人は自分の心をさまざまな方法で守ろうとします。これを専門用語で「防衛機制」といいます。詳しくみていきましょう。
