小学生に大人気の児童書『かいけつゾロリ」シリーズ。71巻累計発行部数は3500万部を突破し、今年7月に71巻目を出版したことで「同一作者により物語とイラストが執筆された単一児童書シリーズの最多巻数」としてギネス世界記録に認定された超ロングセラーです。さらに今年は35周年を迎え、劇場版アニメ最新作『映画かいけつゾロリ ラララ♪スターたんじょう』も全国公開されます。

ゾロリが長年にわたり子どもたちの心をつかみつづける背景には、原作者で児童書作家の原ゆたかさん、そして妻で児童書作家の原京子さんの、二人三脚の歩みがあるのだそう。今回の映画の見どころをはじめ、夫婦で協力し作品をつくり出す秘訣や、子どもの気持ちをくむ視点の持ち方についてお話を聞きました。

お互いの作品の最初の読者

日経xwoman DUAL(以下、──) 『かいけつゾロリ』シリーズは、初版から35周年を迎え、ギネス世界記録にも認定されたとのこと。おめでとうございます! ということは、最初のころのゾロリ読者はもう親になっていますね。長く愛されているゾロリですが、妻で児童書作家の原京子さんとの、二人三脚の歩みがあると聞きました。

ゾロリと共にポーズを取る原ゆたかさん、京子さんご夫妻。2人が着ているシャツの柄、よ~く見ると実はゾロリ!
ゾロリと共にポーズを取る原ゆたかさん、京子さんご夫妻。2人が着ているシャツの柄、よ~く見ると実はゾロリ!

原ゆたかさん(以下、原) ゾロリに限らず、我々はお互いの作品の最初の読者なんです。同業者であり、互いの作品のテイストや良さも理解しているなど、いろんな意味で最も信頼できる相手なので、作品について意見を言い合っています。ゾロリに関してはあるときから、夏休み前、冬休み前と年に2回の刊行となったことで、制作が忙しくなり、実質的に制作面でも妻の力を借りるようになったため、今は書籍にも「協力」として妻の名前が入っています。