拡散タイプには面白さ、保全タイプには先の見通しを伝える

 「本の読み方を見ればいいいくつかの本を同時並行で読むタイプは拡散性が高いタイプだ。一冊を読み終えてからじゃないと次の本を読まないタイプは保全性が高いタイプ。子どもがどちらのタイプか、本の読み方を見てみるんだ」

 この二つはどちらがいいとか、どちらに変えたほうがいいといったようなものではないのですか?

 「ただ単に気質の問題だから、優劣は一切ない。そして気質は持って生まれたものだから、親が変えようとして変わるものではない。

 拡散性が高い人は、先の見通しが分からなくとも挑戦していきたいと考える。拡散タイプは、面白いかどうか、刺激があるかどうかが重要になる。面白いと思ったら、しんどくても突き進む。猪突(ちょとつ)猛進型だな。ただ、拘束されるのを嫌うから、長期コツコツは向いていない。拡散性が高い子どもには、本人が面白そうで刺激的だと思う要素を提示して、短期で集中して取り組ませたほうがいいだろう。

 保全性が高い子の場合は、先の見通しを伝えてあげるといい。ゴールイメージまで見せて、こういう風にやっていくと成功するよねと誘導することで、そこに向けてコツコツと積み上げていく。保全性が高いタイプは明確な指針があったほうが安心して取り組めるから、先の見通しと同時に、長期プランを親が一緒に考えてあげるといいだろう」

『ドラゴン桜』の主人公、桜木建二と生徒たち (C)三田紀房/コルク
『ドラゴン桜』の主人公、桜木建二と生徒たち (C)三田紀房/コルク