潮の満ち引き、プールでは遊具に注意を
海でも川と同様に「天候に注意することがまず大事です」と菅原さんは言います。波が高いときは諦めるなど、大自然が相手ですので注意深い行動が求められます。加えて、菅原さんは簡単に脱げない履物を履くことは海でも同じだと説明します。
また、海には潮の満ち引きという特徴もあります。菅原さんは「小さな子どもは環境の変化になかなか対応しにくい部分があります。潮が引いているときは浅かった部分でも、満ちてくると深くなってくる。『さっき遊んだあそこに行ってみよう』と言って、思ったよりも水深が深い場所に行ってしまうケースもあります」と警鐘を鳴らします。状況に応じて、大人が遊ぶ範囲などを教えることが重要なようです。
同じく、プールで泳ぐ場合も思いもよらない危険が潜んでいる場合があると菅原さんは話します。例えば、大きな遊具があったり、水面にマットが敷き詰められていたりする場合は「その下に入り込んでしまって、浮かび上がってくることができなくなるケースがあります」(菅原さん)。
利用者が多いビーチにはライフセーバーがいたり、プールの場合は監視員がいたりするケースも多いですが、いずれにしても、水辺で子どもを遊ばせるときには親など引率の大人自身もしっかり見守るという姿勢を忘れてはいけません。菅原さんは「特に複数の家族で遊びに来ている場合などは『誰かが見てくれているだろう』と人任せになったり、おしゃべりに夢中になったりと見守りが不十分になるケースがあります。川であれ、海であれ、プールであれ、危険と隣り合わせにあることを忘れず注意を払っておかなければなりません」と訴えます。いざというときのために、心臓マッサージやAEDの手順などを復習しておくことも重要だと言います。
冒頭に菅原さんが話していたように、水辺は子どもたちの成長を促す絶好の学びの場でもあります。楽しい夏休みを暗転させないために、入念な準備をしたうえで水と親しむ機会をつくってあげてください。
取材・文/藤中潤(日経xwoman DUAL) 写真/PIXTA