「マンガじゃなくて本を読みなさい!」「ゲームばかりしてたらダメ!」などと小言を口にしてしまっていたら、ちょっと待って。マンガやゲームは今や「勉強の敵」ではありません。子どもの「好き」に火がつき、時に学びを深めるための効果的なサポートツールになることも。これまで多くの小学生、中学生を合格へと導いてきた受験指導専門家の西村創さんが、小中学生にぜひ読んでほしいマンガ、遊んでほしいゲームを紹介します。マンガ&ゲームの魅力とともに、「学びとは何か?」についても切り込んでいきます。
雑草への関心が自然と高まる
学ぶことは、対象へ関心を持つことから始まります。ただ、子どもに関心を持たせるのは、なかなか難しいもの。そこで、受験指導に携わる私がおすすめするのがマンガの活用。勉強への意欲が高まるマンガはいろいろありますが、第1回の今回は『ザッケン!』(原作:上村奈帆、モノガタリラボ/漫画:プクプク/小学館)を紹介します。
『ザッケン!』は雑草研究部、略して「ザッケン」の高校生たちが、雑草の魅力を五感で味わう高校生活ストーリーです。
都立日比谷高校の雑草研究部が取材に協力し、植物に精通した専門家が監修していることもあり、マンガで紹介される植物は図鑑のように、いやそれ以上に詳しく説明されています。
それにもかかわらず、気軽に読み進められるのは『ザッケン!』がいわゆる、学習のためにつくられた「学習マンガ」ではなく、あくまでストーリーを楽しむマンガだからです。
そして、読み進めるうちに、それまで雑草に関心がなかった読み手の心にいつしか種がまかれ、雑草への関心が芽生えていることに気づく構成になっています。
『ザッケン!』に出てくる2人の主人公のうちの1人、徳田みみからすれば、理科は面白さと驚きに満ちた、最高のエンターテインメント科目といえます。
