子育てだけでも大変なのに、仕事で後輩や部下を育成するなんてもっと大変では? そう思っている人もいるかもしれません。リモートワークなどの新しい働き方が広がり、管理職としての業務の在り方や人材育成の方法も変わりつつある中、DUAL世代の管理職たちはどのように考え、奮闘しているのでしょうか。この連載では、毎日バタバタ、悩みながら一歩一歩進むDUAL世代の管理職のリアルな姿を紹介しつつ、新しいマネジメントの在り方を探っていきます。
今回はITベンチャーの取締役を務める岡田由佳さんのストーリーを前編・後編でお届けします。前編では、シッターサービスを利用しての子育てと仕事の両立テクや、「家事に完璧を求めない」と決めたきっかけについて聞きました。
(前)IT企業取締役ママ「家事の完璧主義」手放せた理由 ←今回はココ
(後)「誰にでもミスはある」子育てで仕事への考え方が寛容に
「かっこいいかも」と深く悩まずに取締役就任を決断
在庫管理ソフトを手掛けるロジクラの取締役、岡田由佳さんは、約1年前にロジクラに転職、同時に取締役に就任した。現在は経理、財務、人事、総務、庶務、法務など、会社の屋台骨となるバックオフィス全般を統括している。「前職では子ども服のネット通販会社で管理本部長を務めており、経験はありました。とはいえ、いずれの分野も専門家ではないので、それぞれの領域で専門家の力を借りながら進めています」と岡田さんは話す。
岡田由佳さん(35歳)
ロジクラ 取締役

ロジクラに取締役として入社することを決めたとき、子どもはまだ4歳になったばかり。小さな子を抱えて経営陣に加わることに不安はなかったのだろうか。
「当時はさほど深く考えていなかったんです。『なんだかかっこいいかも。やってみよう!』というノリで(笑)。前職でマネジメント経験があったことも大きかったです。ただ、前職とは異なり経営陣となるため、自分の領域だけでなく会社全体を見るという視点の変化や、投資家とのコミュニケーションが増えるということは意識しました」
岡田さんは現在、平日はほとんど毎日リモートワーク。一方、夫は平日は残業が多く、子育てを分担するのは難しい状況。そこで頼ったのが、シッターサービスだった。