子育てだけでも大変なのに、仕事で後輩や部下を育成するなんてもっと大変では? そう思っている人もいるかもしれません。リモートワークなどの新しい働き方が広がり、管理職としての業務の在り方や人材育成の方法も変わりつつある中、DUAL世代の管理職たちはどのように考え、奮闘しているのでしょうか。この連載では、毎日バタバタ、悩みながら一歩一歩進むDUAL世代の管理職のリアルな姿を紹介しつつ、新しいマネジメントの在り方を探っていきます。
今回は人材系スタートアップの執行役員を務める松栄(まつばえ)友希さんのストーリーを前編・後編でお届けします。前編では、管理職業務と2人の保育園児の子育てとの両立について聞きました。
(前) 保育園児2人の管理職ママ 「責任」恐れなくなった理由 ←今回はココ
(後) 社会を変えたい人こそ管理職を目指してほしい
転職サイトと新規事業立ち上げの経験を生かし転職
子育て世代に向けたWeb企業への転職サービス「withwork」を運営するXTalentで執行役員を務める松栄友希さん。4人の部下を束ねながら、自らも転職者の面談をこなす多忙な日々を送っている。
松栄友希さん(36歳)
XTalent 執行役員

松栄さんは前職のリブセンス時代、新規事業立ち上げの話が持ち上がった際、自ら手を上げてディレクター(責任者)を務めた。その後、第1子を妊娠し、産休に入る。
「なかなか保育園に入れず、ようやく認可外に預けて復帰できたのは1年半後。でもそのとき、担当していた事業はすでに終了してしまっていて……。もう一度、新規事業をやってみたいという思いから、前職で当時新たに立ち上がりつつあったチームに入れてもらいました。それが現在も継続している『転職ドラフト』というITエンジニア向けのサービスです」
サービスがある程度軌道に乗ったころ、ちょうど第2子を妊娠し、2度目の産休・育休へ。そんな中で、現在の会社との出合いがあった。
「XTalentの社長の上原と以前からの知り合いで、彼が前職を辞めて会社を立ち上げたと聞いてコンタクトを取りました。午前中にカフェで会ってお茶をしたら、『執行役員としてこの会社に入らないか』と誘われて。その日のうちに入社を決めました」
2019年8月、育休中に前職を円満退社し、XTalentに入社した。第2子の育休明け直後に転職、しかも執行役員になることについて、不安はなかったのだろうか。