なぜ中学受験を希望する家庭が増えている?

越南:コロナ下の中学受験は、親の働き方も変わるし、子も中学校の見学などが難しくなっているので、いろいろと大変そうですね。2021年度入試はコロナ下で行われましたが、受験者数に変動はあったのでしょうか?

西村先生:受験者数に関しては言えば、コロナに関係なく、近年は増加傾向にあります

越南:なぜ中学受験を希望する家庭が増えているのでしょう?

西村先生:公立中学校に対する不安が大きいのではないでしょうか。高校受験に必要な内申点を心配する親御さんは多いですね。また、これまで高校募集を行っていた私立の中高一貫校学校が、年々、完全中高一貫(中学入学時のみの募集)に変わってきていて、私立の併願校の選択肢が狭まっていることも、高校受験の不安要素になっています。

越南:大学入試に対する不安もありますよね。中高一貫校ではなく高校だけの学校に進むと、大学受験の準備が間に合わないのでは? と不安を感じている人も多いように思います。わが家の息子は中学受験をしたものの、進学先が国立大の付属中学で高校が併設されていなかったので、高校受験も経験しているのですが、県立高校だったので大学受験の準備が間に合わなくて大変でした。

西村先生:そうした不安は、確かにあるでしょうね。その点、私立中高一貫校であれば、中3の時点で高1の学習範囲に入れるので、ゆとりを持って大学入試に臨むことができます。特に今は、大学入試改革期で、これからどのような入試になるのか読めないところもあり、大学入試に不安を感じている親御さんは多いと思います。そういうご家庭にとっては、私立中学校の手厚いサポートが魅力に感じるのでしょう。