主義・主張が違っていても友人になれることが本当の多様性
小島 夫婦ゲンカもそうだけれど、これからは「人と人の間に生まれるややこしさへの耐性」を付けることがとても大切になると思います。日本はこれから急速に多様性が進んで、異なる文化的背景の人が増えるからです。
多様性のある社会って実はややこしいんですよ。今までは言わなくても済んでいたことでも、言わないと伝わらなくなるんです。だから、ややこしさへの耐性を家庭内で付けておくのは、いい考えだと思います。
犬山 子どもの引き出しが増えますよね。日本は大勢と意見が違うことに対して、まだまだ過敏な社会です。ちょっと違うことを言うとすぐに大騒ぎになってしまいます。それに対する耐性も身に付けたほうがいいですよね。そういう耐性がないと、主義や主張の違う人とも友達になれません。
小島 すぐに敵か味方かで判断して、好きか嫌いのどちらかになってしまっていますよね。
犬山 それって本当の多様性ではないと思うんです。ほどよい距離感をつかめれば、主義や主張が違っていても互いの違いを認めて、友人になれるはずです。
小島 そうなんですよね。多様性への耐性をいかに付けさせるかは、これからの子育てで結構大事な気がします。
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2人の子どもの母であり、オーストラリア・パースで暮らす4人家族の経済的な大黒柱でもある小島慶子さん。日本とパースを数週間おきに行き来する生活の中で感じた、夫婦や子ども、社会、働くことへの思いを綴ったエッセイ集です。
【「はじめに」から抜粋】
親はついこの前まで親ではなかった素人です。だけど人間を一人育てるというとんでもない仕事を、ぶっつけ本番でやらねばならないのです。(・・・中略・・・)
混んだ電車に飛び乗り、髪を振り乱して保育園に迎えに行き、ようやく帰宅してから食事入浴をこなし、寝かしつけでつい寝落ちして真夜中に目覚めたときの絶望感といったら。重い体を起こし、散らかった部屋を片付けて、保育園のノートを書かなくちゃならない。うんざりしながら、すやすや眠るわが子の寝顔に、もっと優しくしてあげたかったのにと胸が締めつけられて…。その繰り返しでした。
【主な内容】
Chapter1 夫婦の話 夫婦の在り方って?につくづく思うこと
・「崖っぷち共働き親」の罪悪感と幸福
・夫婦のセックスレスに、我々はみな興味津々
・夫たちよ、鎧を脱いで育児・夫婦を語ろう 他
Chapter2 仕事の話 大黒柱ワーママをしながら考えてきたこと
・「ワーク・ライフ・バランス大嫌い」の方へ
・働く母は、約束とドタキャンが怖い!
・社会に出て20年、思い描いたキャリアとは違う世界に出合った 他
Chapter3 子育ての話 子どもから教わったこと、子に伝えたいこと
・入園前の親御さん、ハグしてチューしよう!
・子ども抜き「私の幸せ」へ猪突猛進せよ
・安全神話なき世にあっても生き延びる子に 他
Chapter4 社会の話 パースで、日本で、飛行機で、社会について思うこと
・40過ぎてADHDと診断され自分を知った
・仕事育児の両立は「女性だけの問題」でなくなった
・最高にクリエイティブで濃密な「今」に幸あれ 他
大黒柱ワーママ対談
・小島慶子×犬山紙子 未来へつなぐ共働き&子育て
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東京大学大学院情報学環客員研究員
昭和女子大学現代ビジネス研究所特別研究員
NPO法人キッズドアアドバイザー

イラストエッセイスト

構成/福本千秋(日経DUAL編集部) 撮影/洞澤佐智子