頑張る共働き親を楽にする 「~ねばならない」の手放し方
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1山崎ナオコーラ×鈴木裕介/上 〜ねばならないの正体は
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2山崎ナオコーラ×鈴木裕介/下 「べき思考」どう手放す←今回はココ
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3前田有紀 他人軸→自分軸にシフト 仕事も育児も楽に
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4石井食品パパ社長「継がなければならない」捨てるまで
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5起業家パパ べき思考を手放し、相手を尊重できるように
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6米国日本の2拠点学者ママ、得意より好きを選んだ理由
上編に続いて、作家の山崎ナオコーラさんと医師の鈴木裕介さんの対談をもとに、私たちが抱える「~ねばならない」について考えていきます。下編では、手放すべき、残すべき「~ねばならない」とはそれぞれどういうもので、どうしたら手放すことができるのか聞きました。
【上編】山崎ナオコーラ×鈴木裕介/上 〜ねばならないの正体は
【下編】山崎ナオコーラ×鈴木裕介/下 「べき思考」どう手放す←今回はココ
山崎ナオコーラさん
作家。2004年、会社員をしながら書いた『人のセックスを笑うな』(河出文庫)で第41回文藝賞を受賞、作家活動に専念する。1歳と4歳の子どもと、書店員の夫の4人暮らし。
鈴木裕介さん
内科医・心療内科医・産業医。研修医時代に近親者の自死を経験し、ライフワークとしてメンタルヘルスに取り組む。2018年に「セーブポイント(安心の拠点)」をコンセプトとして秋葉原内科saveクリニックを仲間と共に開業。
残す、捨てる「~ねばならない」をどう判断する?
日経DUAL編集部(以下、――) 山崎さんは、子どもが生まれてから「時間に遅れてはならない」「あいさつをしなければならない」といった「~ねばならない」をいっそう強く意識するようになったとのことでした。ただ、これらは「社会の常識」とされており、まったく無視することはできません。どのように折り合いをつけていけばいいのでしょう?
鈴木裕介さん(以下、敬称略) 基本的には、お互いに困らない状態であればいいと思います。たとえば、私のクリニックが夕方から診療を始めるのは、会社帰りの患者さんが多いから、というのが表向きの理由です。しかし本当のことをいうと、僕が朝起きられないというのもあるのです。ただ、それも需要と供給がマッチしていて家族や周囲の人たちがそのことを理解してくれているなら、まったく問題ないわけです。
山崎ナオコーラさん(以下、敬称略) 「仕事は朝からやらねばならない」というのも思い込みですよね。ただ、思い込みを手放すことってすごく難しい。私は、「時間に遅れてはいけない」という思い込みを手放そうといざやってみたら、人格が崩壊するほどイライラしました。