働き方改革時代の人間関係ストレス乗り越え方
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残業はダメだと言われるが、成果は求められる、一方でテレワークなどの新しい働き方が広がり、顔を合わせてコミュニケーションする場面が減っています。さらに子育て中であれば、急な子どもの発熱で早退の必要があるなど、なおさら状況は切実。上司や同僚、部下と何かと交渉しなくてはいけない場面が少なくなく、ストレスを抱えている人も多いかもしれません。
感情を味方につければ、ストレスから身を守れる
「働き方改革が進み、効率的な働き方が推奨されるなど、変化が大きい世の中になり、ストレスを抱えている人は少なくありません。職場におけるストレスで大きいものは、やはり人間関係です。人対人の問題なので、企業の規模にかかわらず、悩みの内容は皆さん共通しています」
中小企業から社員数1万人以上の大企業まで多様な企業のメンタルヘルス対策などに関わる関屋裕希さん(東京大学大学院医学系研究科 精神保健学分野 客員研究員)はこう言います。
人間関係ストレスの背後に隠れているのは、「怒り」「悲しみ」「落ち込み」「不安」などの「感情」。「人にはさまざまな感情があり、感情を抱くこと自体は自然な反応で、そうした感情を受容することはとても大切です。感情を押さえつけたり、なかったことにしたりするとストレスをため込むことになってしまいます。感情について理解し、味方につけることができれば、職場の人間関係ストレスから身を守ることは可能です」と関屋さん。
関屋さんは、感情を方程式に落とし込んで理解することを勧めています。「理論的に考えたい人にとっては、感情はとっつきにくいもの。方程式にして分解すれば理解しやすいと考えました。まず、怒りはこう表せます」
例えば、上司に仕事のやり直しを命じられ、怒りが湧いてきました。「大事なものは『自分がかけた労力や時間』で、それが傷つけられたから生じた、と分析できれば、自分がなぜ怒っているのか冷静に考えることができます」
感情との付き合い方が分かれば、ストレスから身を守るだけでなく、こんなメリットもあります。「ネガティブな感情は不快なものなので、人は避けようとしてしまいます。例えば、間違って怒られるのが嫌だから、不安になるのが嫌だから、新しいことに手を出さない、失敗して落ち込みたくないから挑戦しない。そう考えるのは人として自然なこと。でも、そうやってすべてを避けていては、つまらない人生で終わってしまうかもしれません。感情とうまく付き合えれば、自分が本当に生きたい人生を送ることができます」
次ページから、「自分で動ける部下を育てるためには何が必要?」「部下の様子や状況を把握しやすいチームを作るには?」「上司が助けてくれないと感じたら」など、管理職と部下のよくある人間関係の悩みを例に挙げながら、「感情を味方につけてストレスから身を守る方法」について詳しく説明します。