「頭がいい子」が育つ家庭教育&暮らし方
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保育園時代は毎夜、親子で神経衰弱
マザーネット社長の上田理恵子さんは、ダイキン工業でフルタイム勤務をしていた27年前に長男を、25年前に次男を出産。まだ共働きに対する世間の理解が乏しく、平日に行われる小学校の授業参観に行くこともままならなかった時代に子育てをしてきました。そんな多忙な共働き家庭で育った息子たちは、ともに教育分野に目覚め、長男は京都大学の大学院に進んで食育について研究、次男は関西学院大学の大学院に在籍し、男性保育士の在り方について学ぶために、現在はデンマークに留学中です。
二人とも、親によるサポートはなしに、自分たち自身で目標を定め、進路を決め、それに向かってコツコツと努力を重ねてきました。そうした自律性が養われた背景には、親によるどんな働きかけがあったからなのでしょうか。母親である上田さんにお話を伺うとともに、長男の遥さん本人にも「子ども側の目線」で語ってもらいました。
「保育園時代は、子どもを連れて自宅に帰るのが、毎日午後7時ごろ。午後9時に寝るまでの間は食事や入浴で大忙しでしたが、わずかな時間でも絵本を読んだり、親子でトランプをしたりするようにしていました。『今日は神経衰弱を1回だけね』という日もありましたけど、神経衰弱は本当によくやりましたね。記憶力向上にもつながりますし、年齢関係なく下の子が勝つこともあって、みんなが楽しめますから」(上田さん)
小学校に上がる前後では、あえて、自宅で「勉強の先取り」を行わないことを意識していたそう。
「小学校入学前にひらがなや計算を教える方もいるかもしれませんが、私は一切教えませんでした。学校の授業をしっかり聞いてほしかったから。担任の先生から『授業中、ずっと見つめられて大変です』と言われたくらいなので、『絶対聞いてやる』という意識があったのでしょう。周りにはすでに、ひらがなや計算が上手な子もいたので、自然とやる気が出たみたいです。左右逆の鏡文字もよく書いていましたが、私は『かわいいな』と思うだけで、指摘すらしませんでした」(上田さん)

先取り学習をして自信を付けさせ、好スタートを切らせてあげることが大切、という人もいます。先取り学習を一切しなかったことで、何か不都合なことはなかったのでしょうか。
