親だって社会人だって 失敗してもいいじゃない!
「感覚値ですが、仕事は『うまくいっている』のが6割くらい、『なんかちょっと危ない』が3割くらい、残り1割は『大変なことになっている』くらいがいいのではないかと思います」。電通やボストンコンサルティンググループなどで企業の戦略策定や組織開発に携わり、時代の流れを見据えたビジネス論や人材論などについて多数の著書がある山口周さん。時代の変化に伴い、ビジネスの場における「失敗の価値」がどう変わっているのか、それを踏まえて、働くママやパパが「失敗」をどう捉えればいいか、などについて山口さんに聞きました。
「失敗」が非常に重要な時代になっている
技術の進化や産業構造の変化がめまぐるしい昨今。「VUCA」(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)がキーワードと言われる時代に、仕事における「失敗の捉え方」はどのように変化しているのでしょうか。
「今の時代において、失敗は非常に重要なものだと言えます」と山口さん。「例えば勝ち組企業として知られるアマゾンは、上場以来、対外発表しているだけでも70以上の新規事業に取り組み、約3分の1は撤退した過去があります。失敗が多過ぎるように見えますが、その失敗の多さが全体としての成長を支えています。失敗をエンジンにして成長している会社と言えるでしょう。
シリコンバレーでも、多くの企業が起業してはつぶれていきます。つぶれた一つひとつの企業をミクロで見れば『失敗』かもしれませんが、失敗がデフォルトとされる場所だからこそ、シリコンバレー全体を大きく捉える、あるいは長い時間軸で見てみると、ものすごく強い企業が出てくるわけです」
世の中の変化を踏まえ、組織も個人も、「失敗をどう捉えるか」がより重要な時代になっていると山口さんは指摘します。仕事に子育てに多忙なDUAL世代が、これからも自分らしく働き続けるために「失敗」について知っておきたい3つのポイントについて、次ページから山口さんに詳しく聞きます。