親だって社会人だって 失敗してもいいじゃない!
子育てにおいて「うまくいかない」「こんなはずじゃなかった」と迷ったり葛藤したりした経験は誰にでもあるはず。子育てにおける、成功、失敗とはどのようなものでしょう?
例えば、中学受験。第1志望に受かったら「受験に成功した」と言えるのかもしれませんが、それは、ある時点の話にすぎないでしょう。今回は、わが子が中学受験で第1志望に合格後、不登校になったという東京都在住のAさんに、そこから得た「教訓」について詳しく聞きました。
子どもの同意を得た中学受験だと思っていた…
息子のKは、現在19歳。現在は、経営学を学ぶ大学に入るために受験勉強中です。高校には3年間通っていましたが、中学時代の3年間は、ほとんど学校に行っていません。中学受験で第1志望の私立中に合格したものの、クラスになじめず不登校になったのです。私立中に通っていたのは4、5月だけ。その後は公立中へ転校したものの、そこも結局、1、2回通っただけで行かなくなりました。

中学受験は親主導で進めることも多く、私と夫も例外ではありませんでした。ただ、一方的に進めてきたわけではなく、Kに「受験してみない?」と聞くと、「分かった」と同意を得ていたんですね。それだけに、「中学受験なんてしたくなかった」と言われたときには、驚きました。
不登校の原因は、私たちが、Kを子ども扱いしてきたことに尽きると思っています。一時は、引きこもりになるのでは、と心配したこともありました。しかし、Kはそこから自分で人生を切り開いていこうと奮起し、自ら進学したい高校を見つけてきて入学。昨年、無事、卒業しました。
人によっては、子どもが不登校になると「子育てに失敗したのでは」と捉える人もいるかもしれません。ですが、実際には、私は、息子が不登校になってたくさんのことを学びました。彼にとっても、親にとっても、必要な時間だったのではないかと思うのです。
Aさんが「彼にとっても、親にとっても、必要な時間だったのではないか」と語る理由は、以下の3つの教訓を得られたためだといいます。
次のページから、Aさんに話を聞きました。