仕事と子育て 「焦り」の正体知って、両立をもっと楽に
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家事、育児、仕事。子育て世代の1日は焦りだらけ
コロナ下でリモートワークが増えたとはいえ、家事や育児にゆとりができたと実感している人は少ないのではないでしょうか。仕事も家事も育児も同じ空間でするからこそ、タスクのやり残しが気になってしまいます。部屋の汚れや子どもの伸びた爪、開いたままの資料……。あれもこれもやっておかなければと、気が休まらないですよね。
11歳の娘を育てるリセッターリスト代表の山本香織さんも、子どもが幼い頃にそのような経験をしました。9年前に環境の良さに引かれて、長野県に名古屋市から移住。フリーランスのデザイナー・イラストレーターの山本さんが在宅で仕事をする一方、大学教員の夫は職場が都内にあったため、週のほとんどは別居状態に。
それまで夫婦2人で担っていた家事や育児が一気に山本さん1人の負担になり、「私は家事が苦手なのだ」と初めて自覚したという山本さん。「終わらない家事と職場が一緒になっていることでイライラや焦りを感じました。気持ちのアップダウンが激しく、つらい状況でした」と振り返ります。
娘と向き合う時間もしっかり取れず、家事も育児も仕事もどっちつかずな状態に。雑誌やネットに解決策を求めましたが、当時は在宅勤務が一般的ではなく、山本さんの状況に合うものが見つかりませんでした。そこで自分で何とかしなければと、次のように考えたと言います。
「働く親が抱えるタスクは大きく分けて仕事、育児、家事の3つです。このうち仕事は相手があることなので、スケジュールや方法を自分1人ではコントロールできません。育児も子どもの気分や体調によって対応を変える必要があります。もちろん手を抜きたい対象ではありません。
しかし家事だけは頻度ややり方、内容を自分の裁量でコントロールできます。家事をコントロールできるように仕組み化して、イライラや焦りを軽減しようと思いました」
山本さんは表計算ソフトで作成する家事リストを考案。暮らしをリセットするという意味を込めて「リセッターリスト」と名付けました。1日の家事を時系列で並べる、家事項目を頻度別に仕分けるなどの工夫を施したおかげで「暮らしの流れ」をつくることができ、家事にかかる時間が減ったと言います。また、家事や育児に追われる焦りが減ることで、仕事にも集中しやすくなりました。
その理由を詳しく聞いていきましょう。
リセッターリストで焦りがなくなる理由
・ 「考える」を省けるので家事にかける時間が短くて済む
・しなければならないことを 覚えておく必要がないので仕事に集中できる
・ 「暮らしの流れ」ができるので、忙しくても焦燥感と無縁でいられる
・ 最優先したいことをリストに落とし込むことができるので焦りが減る