仕事と子育て 「焦り」の正体知って、両立をもっと楽に
-
1仕事と育児でタスク山盛り 「毎日焦っている」の声
-
2池田千恵 「常に時間と戦う」脱する仕事術 3つの手順
-
3仕事の集中妨げる「気になる家事」への焦り どう解消?
-
4「平均」の呪縛が親の焦りに 「待てる親」が子を伸ばす←今回はココ
-
5時短、転職…ワーママのキャリアの焦り「5つの正体」
子育てに焦る背景には平均へのこだわり。子をよく見ることが大切
受験戦争や就職氷河期を経てきた親世代。習い事やスポーツをほかの人より早く始めたり、親のアドバイスに従って努力したりすることで、よい結果が得られたという体験がある人もいるでしょう。親となった今、その成功体験を子どもにも当てはめようとしていないでしょうか。また、よその家と自分の子育てを比べて、「あれができていない」「これが遅れている」と焦っていませんか?
でも、その焦りは子どもの成長にとって本当に必要なのでしょうか。京都大学総合博物館 准教授で子育てや教育の問題にも詳しい塩瀬隆之さんに、子育てへの焦りがどこから来るのか、子どもにとって本当に必要な働きかけは何かなどを聞きました。
塩瀬さんは親が子育てで焦ってしまう要因として「平均」にとらわれていることを挙げます。わが子の数字と平均を比較して、上か下か、遅いか早いかを気にしてしまう人は多いでしょう。学校や塾に行き始めるとテストの平均点が発表されるので、なおさらです。
平均値という数字ではなくても、ピアノやスイミング、公文などの「平均的な習い事」を「みんながやるから早く始めさせなければ」と今まさに焦っている人もいるのではないでしょうか。
「平均より上でなければ、早くなければ」「平均はクリアしなければ」という焦りから逃れるには、どうしたらよいのでしょうか。
塩瀬さんは、「平均」の意味を正しく知ること、「物差し」をたくさん持つことで平均の呪縛から逃れられると話します。
「自分の子育てを人と比べて焦る状態から脱するには、親がわが子をしっかり見るようになることが必要です」と塩瀬さん。さらに、わが子の可能性を広げたい、親を越えてほしいと願うなら、「手を出さず、口を出さず、目を離さない」姿勢が大事だと指摘します。
簡単なように見えて意外と難しいのが「待つ」です。「良かれ」と思ってつい口や手を出してしまいます。塩瀬さんはちょっとした心がけや行動を取り入れると、子どもを待てるようになると話します。その「子どもを待つ7つの作法」を記事後半で教えてもらいます。

次のページから読める内容
子育てへの焦りを生む平均の呪縛から脱するには?
・平均と比べることは意味がないと意識する
・子ども自身をしっかり見る
・「物差し」をたくさん持つ ほか
子ども自身を見るときのポイントは?
・口や手は出さない
・客観的に見る ほか
「子どもを待つ7つの作法」
・口を出したくなったら深呼吸をする
・子どもの目線になって見る ほか