ワーママこそ意識したい「仕事の余白」
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質の高い雑談には「戦略」「設計」が必要
「これまで多くの職場で、生産性を上げるために無駄をなくし、業務を効率化することが重視されてきたと思います。さらに退社時間が決まっている共働き親の場合、限られた時間の中で仕事を終わらせるために、輪をかけてギリギリまで効率を上げる工夫をしてきた人も少なくないかもしれません。けれどもここにきて、こうした効率最優先という絶対的価値観に、変化が生じてきています」と話すのは、グロービス経営大学院教授の村尾佳子さんです。
背景にあるのはコロナ下でのテレワークの急拡大。テレワークは仕事と育児の両立をはじめとする、ワークライフバランスの実現など、多くのメリットをもたらしています。その一方で、テレワークによって極度の効率化が進み、仕事に余白がなくなってきたことも事実。「ストレスや息苦しさを感じる人が増えてきている中、改めて働き方のバランスの再調整が必要になってきた」と村尾さんは言います。そのための手立ての1つが、かねてより「無駄」なものとして削られてきた雑談を戦略的に取り入れていくことだそう。
「ビジネス会話には目的やゴールが明確に設定されています。一方雑談とは、こうした会話の目的やゴールがなく、そもそも『話さなければならない』マストな会話ではありません。けれども本来『しなくてもいい』オプション会話である雑談を見直し分解すると、意外にもメリットが多いことに気づかされます」
村尾さんによると、「質の高い雑談」は「職場のチームワークの低下」をはじめ、「新たな人間関係が築きにくい」「視野が狭まりやすい」など、まさにテレワーク下での行き詰まり感を解決する切り札ともなるそうです。ただし雑談はあくまでも「しなくていい」オプション会話だからこそ、仕事の場では、下手をすると耳障りなものになってしまうことにも。
「仕事や人間関係にとって有益な効果をもたらすのはあくまでも『質の高い雑談』に限られます。時に『余計な雑談』と『質の高い雑談』は紙一重だからこそ、『質の高い雑談』を実現するためには、戦略や設計も必要です」
仕事環境を改善するなど多くのメリットを生み出す「質の高い雑談」とはどのようなものなのでしょう。また、リモート、リアル、それぞれの場で具体的にはどのような雑談を展開していけばよいのでしょう。行き詰まり感を解消する切り札として雑談を活用していく戦略について、村尾さんに聞いていきます。
・雑談がうまい人ほど、○○○が高く、○○○○な人が多い
・初対面の場合は、○○に集中して話を聞き、○○○○○クエスチョンで相手を探りながら、徐々に共通の話題へと展開させていくことがコツ
・ビジネスの場では○○○○をすれば、プライベートに踏み込まずとも、話を膨らませることが可能に