この時間の主役は誰か、と意識することが大切
「当時、私がよく富士山で仕事をしていました。息子が『登ってみたい』と言ったので、『じゃあ、登らせてあげようか』といった感じで、無理にやらせようと思ったわけではありません。子どもにはヘルメットをかぶらせて、手をつないで歩きました。疲れたと言うたびに頻繁に休憩し、道の脇に寝袋を置いて昼寝も挟み、頂上まで登って降りて、計4日間かかりました」
大人の忍耐力に驚いてしまうエピソードですが、今泉さんは言います。「子どもを頂上まで登らせてあげるのが第一目的だったので、子どものペースに合わせて、子どもが休憩や昼寝をしている間、親はそばでお茶を飲んだり、写真を撮ったりして待ちました」
3歳で富士山はハードルが高くても、親子で山登りやハイキングに出かけるときに、参考にできそうな考え方です。「子どもを連れて行くなら、子どものペースで歩くことが大事だと考えています。計画段階から子どもと一緒に地図を見て、子どもにルートを考えさせてみてもいいかもしれません」
「この時間の主役は誰か、と意識することは大切だと思います。この夏休み、子どもを主役にする日を例えば2、3日つくったら、大人は時間や気持ちに余裕を持って、主役にペースを合わせるのはいかがでしょう。子ども優先と決めた日については、子どもが中心となる計画を子どもと一緒に立てることをお勧めします。後述しますが、それを自由研究にしてもいいと思います」
「視点を変えた」自然体験や、子どもの興味・関心を伸ばす親のコツ、声かけのヒントなどを具体的な内容は中編と下編でお伝えします。ご期待ください!
取材・文/小林浩子(日経xwoman DUAL)、イメージ写真/PIXTA
