子どもが巻き込まれる性犯罪が後をたちません。わが子を守り、また、正しい知識を持たないがゆえの加害者にならないよう、親は「性教育」に向き合い、性について伝えていかなければなりません。とはいえ、親自身はそこまで性教育に触れてきたでしょうか。「子どもに、一体、何をどう伝えればいいか分からない」という人に向けて、家庭で始める性教育のノウハウをお届けします。
いま、家庭から始める「性教育」
いま、家庭から始める「性教育」
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2未就学児の性教育 NO!と主張する大切さも伝えよう←今回はココ
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3小学生の性教育 リスク以外にも伝えるべきことがある
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4小島慶子 動じず逃げず 幼児期から対等な性教育
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5性教育始めるタイミングは?親の疑問3つに答えます
子どもが大人に「NO!」と言うのは難しい
子どもが被害に遭ったわいせつ事件の報道を受けて、7歳の娘に性教育を行った、あるママは、その中で難しさを感じたといいます。そのときのやり取りとは以下のようなものでした。

Aちゃんのように、子どもは親が思っている以上に相手に「NO!」と言うことに抵抗があるかもしれません。相手が顔見知りの大人であれば、言いづらい気持ちになる傾向はより強くなるでしょう。また、ショックや怖いという感情に押しつぶされそうになる状況では、NOを言うことが難しくなってしまうのはなおさらです。
「子どもたちは、小さい頃から『お友達と仲良くしようね』と親に言われてきている一方で、NOを主張する大切さは教わっていません。子どもが事件に巻き込まれそうになったとき、子ども自身がNOと言えるかどうかが非常に重要です」。京都教育大学の元教授で、人権に基づくセクシャリティ教育・ジェンダー教育を専門とする関口久志さんは、こう話します。
「そうした自己主張は、思春期以降、友達や同級生から危険な場所に誘われても、周りに流されることなく、しっかり拒否できる自分を獲得していくことにもつながります」
NOと相手に言えるようになるためには、未就学児のときから以下の3つのSTEPを意識することが大切です。詳しく話を聞いていきます。