子の読解力を伸ばしたい
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5考える力を育む「作文」 絵本、4コママンガを活用
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6読解力の達人を目覚めさせた子ども時代の読書体験
日本の子の「読解力」が15位に後退したと話題に
新型コロナウイルスの影響による休校期間中、公立小学校ではオンライン学習やオンライン授業の導入がなかなか進まず、多くの子どもたちの学びは停滞しました。
「コロナ休校で課題が見えた教育の情報通信技術(ICT)活用の遅れと『PISA型読解力』の順位後退の話は無関係ではありません」。東北大学大学院情報科学研究科教授の堀田龍也さんはそう指摘します。どういうことなのでしょうか。
経済協力開発機構(OECD)が2018年に世界79カ国・地域の15歳を対象に実施した学習到達度調査(PISA)が発表されて、日本の「読解力」が15位に後退したと話題になりました。対象とする国・地域の数は毎回異なりますが、2012年調査では4位、2015年調査では8位でした。
2018年のPISAは、「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の3分野について実施されました。数学的リテラシーは6位(2012年は7位、2015年は5位)、科学的リテラシ-は5位(2012年は4位、2015年は2位)でした。
「OECDが実施していることから分かるように、PISAは経済視点の調査です。これから世の中に出て経済を支えられる人材になるために、働くときに身に付けておかないと困る力を測るもの。英語ではリーディングリテラシーと呼ぶPISAの読解力は、実用的な力を試されます」。堀田さんはそう説明します。
「この実用的な読解力能力を測るPISAは、親世代が国語の授業で学んできた『従来型読解力』とはそもそも異なるものです。さらに、時代の要請を受けて、2018年調査からは、オンライン空間をより意識した要素が新たに加わりました」
「同時に行われたICT活用調査では、日本の学校内外でのデジタル機器の活用について、衝撃的な結果が出ました。それが読解力低下に関係あると分析されます」と堀田さん。未来を生きる子どもたちには広くて深い読解力が必要なようです。読解力に関する学校教育について親が知っておきたいこと、それを踏まえた上で、家庭でできることなどについて、堀田さんに次ページから詳しく聞きました。